■TRASH■

2005年08月15日(月) 本を薦める?

旦那様の中学生の姪っ子が、
「高校受験の国語の学力をつけるにはどうしたら良いか」
と先生に尋ねたらしいです。
先生は「とにかく本を読め」と答えたとのこと。

なのでこの間旦那の実家にお伺いした時に、
どんな本を読ませれば良いか、とお母さんに聞かれました。

しかしわたくし、人に本を勧められるほど、
万人に名作だと呼ばれる本を読んでいません。

本は確かに好きですけど、児童館に入り浸っていた為、
小学生はほとんど児童文学でした。
中学生になって図書館に行くようになったのですが、
それをひきずって、児童文学ばっかり。

もちろん、児童文学とはいえ、名作は沢山あります。

ミヒャエル・エンデや、岡田淳、とんでもネズミの大冒険に、
ガンバシリーズに、タイトルも覚えていない、
犬の名探偵が活躍する話に、宇宙船オンボロ号で冒険するお話。

そういえば、児童文学の本って、
言葉遣いが正しいので(何をもって正しいかというのはわかりませんが)、
その本に囲まれて育ったので、今は結構使っちゃいますが、
「ら抜き」言葉に違和感がありました。
(両親や周りの人はみんな、「ら抜き」でしたし、本の影響でしょう)

通常の中学生が読むような本というのは、どんな本なのでしょう。

ぱっと浮かぶのでは、
芥川、太宰、夏目漱石、谷崎潤一郎とかの、古典的名作ばかり。

自分も好きで、薦められそうなのは、
宮沢賢治、かもめのジョナサン、15少年漂流記あたり。

ファンタジーでも良いなら、
はてしない物語や、モモを薦めたいし。

好きな本と、薦められる本が全然違うところが問題ですね。
学力を上げる為、という視点なのが特に大変です。

そもそも、学力をつける為に本を読むものではなくて、
本を読むことで、自然に読解力が身につくわけですから、
そのギャップに参ってしまうのです。

旦那は理系な人で、「国語とかで、「この時のこの人物に気持ちを答えろ」
という問題が出るのが納得いかなかった。そんなのわかるわけないじゃん」
と良く言っているのですが、

結局、わからないのは、Aという状態になった場合、Bという気持ちになる、
という方程式がわからないだけなのですよね。

数学のように、公式があるわけではないので、
自分の中の「公式」に自信が持てないだけなのです。

沢山の本を読み、沢山の人の考え
(登場人物に投影された、作者の考えですね)を知り、
その中に共通する思いや、考え方を、
自分の中に公式として積み重ねていく作業が、
本を読んで、学ぶということだと思います。

ただその公式は、不確定要素がまじり、
それは時代性だったり、作者の性格だったり、
登場人物に人となりだったりするのです。

もちろん、理解出来ない考え方をする人も世の中には多いですし、
それらのイレギュラーを、イレギュラーなのか、
そうでないのかを判断できなくて、混乱する場合もあります。

だから当然、一朝一夕にはいかないでしょう。
学力をすぐに伸ばす、というベクトルでは、
その矢印の先をどこに宛がって良いのか、判断できません。

ただ、すぐに学力が伸びないから、という点で、
本を読むことから目を逸らしては欲しくないと思います。

受験を過ぎ、大人になっても、
本は人生の一番の参考書だと思うのです。


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