旦那様の中学生の姪っ子が、 「高校受験の国語の学力をつけるにはどうしたら良いか」 と先生に尋ねたらしいです。 先生は「とにかく本を読め」と答えたとのこと。
なのでこの間旦那の実家にお伺いした時に、 どんな本を読ませれば良いか、とお母さんに聞かれました。
しかしわたくし、人に本を勧められるほど、 万人に名作だと呼ばれる本を読んでいません。
本は確かに好きですけど、児童館に入り浸っていた為、 小学生はほとんど児童文学でした。 中学生になって図書館に行くようになったのですが、 それをひきずって、児童文学ばっかり。
もちろん、児童文学とはいえ、名作は沢山あります。
ミヒャエル・エンデや、岡田淳、とんでもネズミの大冒険に、 ガンバシリーズに、タイトルも覚えていない、 犬の名探偵が活躍する話に、宇宙船オンボロ号で冒険するお話。
そういえば、児童文学の本って、 言葉遣いが正しいので(何をもって正しいかというのはわかりませんが)、 その本に囲まれて育ったので、今は結構使っちゃいますが、 「ら抜き」言葉に違和感がありました。 (両親や周りの人はみんな、「ら抜き」でしたし、本の影響でしょう)
通常の中学生が読むような本というのは、どんな本なのでしょう。
ぱっと浮かぶのでは、 芥川、太宰、夏目漱石、谷崎潤一郎とかの、古典的名作ばかり。
自分も好きで、薦められそうなのは、 宮沢賢治、かもめのジョナサン、15少年漂流記あたり。
ファンタジーでも良いなら、 はてしない物語や、モモを薦めたいし。
好きな本と、薦められる本が全然違うところが問題ですね。 学力を上げる為、という視点なのが特に大変です。
そもそも、学力をつける為に本を読むものではなくて、 本を読むことで、自然に読解力が身につくわけですから、 そのギャップに参ってしまうのです。
旦那は理系な人で、「国語とかで、「この時のこの人物に気持ちを答えろ」 という問題が出るのが納得いかなかった。そんなのわかるわけないじゃん」 と良く言っているのですが、
結局、わからないのは、Aという状態になった場合、Bという気持ちになる、 という方程式がわからないだけなのですよね。
数学のように、公式があるわけではないので、 自分の中の「公式」に自信が持てないだけなのです。
沢山の本を読み、沢山の人の考え (登場人物に投影された、作者の考えですね)を知り、 その中に共通する思いや、考え方を、 自分の中に公式として積み重ねていく作業が、 本を読んで、学ぶということだと思います。
ただその公式は、不確定要素がまじり、 それは時代性だったり、作者の性格だったり、 登場人物に人となりだったりするのです。
もちろん、理解出来ない考え方をする人も世の中には多いですし、 それらのイレギュラーを、イレギュラーなのか、 そうでないのかを判断できなくて、混乱する場合もあります。
だから当然、一朝一夕にはいかないでしょう。 学力をすぐに伸ばす、というベクトルでは、 その矢印の先をどこに宛がって良いのか、判断できません。
ただ、すぐに学力が伸びないから、という点で、 本を読むことから目を逸らしては欲しくないと思います。
受験を過ぎ、大人になっても、 本は人生の一番の参考書だと思うのです。
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