■TRASH■

2001年10月13日(土) TNFに行ってきました

今日は、ティーンズノベルフェスティバルという、ティーンズノベルの未来等を考えるというイベントに行ってまいりました。

目的はただひとーつ。
一条理希せんせにお会いするということ。
7年前に「パラノイア7」という小説で一目ぼれして、「ネットワークフォックスハンティング」という小説でとどめをさされ、以来ずっとファンでおるわけでして。

これがまた、この先生、プライベートなことをほとんど言わない人で、常々どんな方かお会いしてみたかったのでした。

信濃町まで電車で揺られること50分。
着いた場所には、どうみてもティーンズとはかけ離れた方々がいらっしゃいました。
そして、ちょっと異様なノリ。
…こ、怖い…。

そして、肝心なティーンズの人は、全体の5%にも満なかったのではないでしょーか。
いや。
わたしももちろん、ティーンであったのは軽く10年前なのですが。

まぁ、ティーンズノベルって枠組みも怪しいからしょうがないっちゃしょうがないよね。
なんせ、SFからファンタジー、推理物、恋愛物、ミリタリーにほんと、どんなジャンルも包括出来ちゃうし、活字からやや離れた世代(今の20−30代)に支持されちゃうのはしょうがないわけで。

とりあえず、小説家の一条先生、秋津透先生、伊藤京一先生と、ティーンズノベル評論家とかいう三村美衣先生の「これが書きたい」というディスカッションに参加。

いかにして小説を読んだことのない人に小説を読ませるかという話や、ティーンズノベル界の問題(拡大再生産と縮小再生産)、自分の中の線引き・オリジナリティについて等々、おもしろかったっす。

携帯世代にどうやって小説を読ませるかという件で、チェーンメールで送りつけるという話に思わず笑う。
そして、秋津先生が「それでも読まない人は読まないですよ〜」との言葉に涙。
うう、わたしなら喜んで読むけど。

やっぱり一線で頑張っている人の話はおもしろい。
ここでいえば、ものを書くというのは、ほんとエネルギーもいるし、常にアンテナを伸ばしていろいろなことに目を向け、いろんな雑多なものから取捨選択出来るだけの感性と判断力、それに物事をきちんと調べて追う力が必要だから、それだけいろんな話が出てくる。

新しい世代はコラージュの世代らしい。
今あるものを集めて、それを切り貼りするのになんの違和感もない世代なんだそーだ。
確かにそういう風潮は顕著にあると思うけど。
でも、そういうのは多かれ少なかれあると思うけど。
ほぼ全てが既存の現象のくり返しで、あるいはそれらの見せ方が違うだけなのではないでしょうか。

こうやっていろいろ考えるのは楽しい。
参加して良かったと思うのでした。

それから、お茶会と呼ばれるところで、一条せんせいと、一条先生の「H.O.P.E.」の挿絵を描いてらしている山本京先生のサイン会。
両先生に御挨拶して、サインをしていただきました。

しかし、ほんとは人見知りで上がり症でヒキコモリなわたくし。
勇気を出して側までいったものの、声も出ずにおろおろするただの不審人物となっておりました。
あああ、先生のペンネームの由来とかお聞ききしたかったのに。
先生の最新本で気に入ったところを告げて、少しお話するくらいでした。

一条せんせは、小柄でかわいらしい方、山本せんせは、見るからに人のよさそーな方。
惚れそうです(^-^;)
ふふふ。

あっという間に14時近かったので、お昼ご飯を食べに。
会館を出たところに、おソバ屋さんの案内の看板があったので、それにふらふらついていったのでした。
まるで崖のような坂を転げるようにして下り、電車の高架の下のトンネルを潜って、どうみても一般住宅エリアへ入り込む。

あれれ。
間違ったかなー。

と、思うくらいの民家エリアの中に、ぽつんと唐突に一件のおソバ屋さん。

猫のごろごろ転がっている間を通りぬけ、がらがら引き戸を開け閉じる。
隔絶されてしまえば、割り箸の山があり、木製の無骨な机、醤油のいい臭いがするその空間は、まさしくそば屋以外のなにものでもなくなり、わたしはおじちゃんの顔を見て首を傾げ、カレー南蛮をうどんで頼んでちょっと遅いお昼にありついたわけでありました。

そのカレー南蛮、とても美味しかったな。
「兎月亭」また来たいです。

さてさて、戻ってまたディスカッションです。
各出版社の編集さんによる、「編集というお仕事」

ちょっと遅れてしまったのですが、やっぱり仕事意識をきちんともって働いている人の話は良い。
自分の置かれている状況について、
「アナコンダに飲み込まれる猿よりはマシ」
と語られる姿には、涙が誘われます。

「どんなに辛くても、ちゃんと生きているんだから」

って、ほんと、上を見れば切りはないんだけれど、やっぱり下を見ても切りがないですよ><

昔読んだ漫画の主人公が「かげろうの気持ちって考えたことあります?」って話をして、それについて、「かげろうの気持ちまで考えたら、ほんときりがないでしょうに」と思われるというエピソードがあったんですが。

うん。アナコンダに飲まれる猿まで行かなくてもいいようなものなのに(^-^;)

それが終わったら、突発企画とかいうものに参加。
吉岡平先生と、霜越かほる先生の公演。
挿絵で営業的に販売が失敗したという話や、どうやって小説家になったかという話。

霜越先生は異色で、後輩の面倒を見るのに書いていたリレー小説(でも全部一人で書いたのこと(笑))を、そこが女の子向けの小説だとは知らずにコバルトに応募して受かったとのこと。
うーん、きっかけとかそういうのは、どこに潜んでいるのかわからないねぇ。

おもしろい人だったので、ちょっと読んでみたくなって、帰り際に本屋に寄ってその作品が出ているスーパーダッシュ文庫のレーベルが廃刊になったことを思い出す。
うう、そのシリーズ4冊くらいしかない。
もちろん見あたらず。

…BK1とかで探そうかな。

こういう話を聞くのはほんと楽しかったのでした。
とりあえず、行って楽しかったです。

しかし、いくらティーンのためとはいえ。
会費2000円は安かったでしょう。
お越しいただいていた先生方もボランティアだとおっしゃられてました。
…うーん、寄付くらいしてくれば良かったなぁ…。

後日談。
一部の人だけかもしれないけども、ティーンズの意味を知らなかったらしいっす。
えっと、死語なのかしら。
…うーーーーーーん。


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