オクラホマ・スティルウォーターから

2004年05月06日(木) 女か虎か

 確か去年の秋いかさんが持ってきた本だと思うが、阿刀田高の「ものがたり風土記」を読んでいた。ガイドブックにも書かれていないような、その地その地で見つけたものを書いていて、学校で習う日本史とは少し違った話が載ってて、なかなか面白かったが、これは何回か読まないと難しい。

 ところで、この中でF・R・ストックトンの「女か虎か」という小説が紹介されていた。その紹介をかいつまむと・・・・

 ある未開の国で罪を犯したものは闘技場に連れ出され、観衆の中で裁判が行われる。その裁判と言うのは、二つの扉のうちどちらかを選ばなければならない、というものだ。一つの扉には女が隠され、その扉を開けた場合は、王の媒酌のもと、その女と結婚する、というもの。もう一つの扉には虎が隠されていて、開けてしまえば虎の餌食となり死を意味する、というものだ。

 ある身分の低い若者が王女を恋し、王女も若者を恋したのだが、それが発覚。身分を越えた恋愛は重罪で、若者は闘技場に連れ出された。王女は観衆の一人だ。若者は王女の顔を見て、どちらの扉がどちらか、というのを知っている、と確信した。そして、目で尋ねたところ、王女は右の扉を合図した。そして若者はその扉を開けた・・・・。

 というところで小説が終わり、果たしてどちらの扉を開けさせたか、というのを読者に問うているそうだ。

 王女はどちらを選んだか。王女が、その若者が他の女性と結婚するぐらいなら死んでしまえと思ったか、虎に食われるのはしのびない、それだったら他の女性と結婚しても生きてほしい、と思ったか。

 う〜ん、女性の立場としてはどっちを選ぶかなあ(後者かな)。


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