昨日ネジャーティから聞いたトルコの話はちょっとジーンとさせられるものだった。
トルコが共和国になって70数年経つが、それまではオスマン帝国で、帝国というぐらいだから皇族がいたようだ。 考えたことがなかったが、共和国を設立する時に、皇族は国外に追放されて、ヨーロッパやアメリカにその子孫が住んでいるらしい。つい最近、トルコの首相がアメリカを訪問した時も、ニューヨークに住む子孫を訪問したらしい。
子孫たちはトルコの市民権や帰国が保証されているらしいが、イスタンブールにはその一人、80歳代の女性が住んでいるらしい。その女性は最後の皇帝の孫で、先日旧邸が美術館としてオープンした時に、その女性も招待され、テープカットが行われた。そして、各部屋を歩き、後々聞いた、各部屋にまつわる話を周りにしていたらしい。そして、高齢なのでちょっと休もうと椅子に腰掛けた時、その椅子に座って触った感触で、「この椅子に覚えがある」と急に思い出したらしい。当時3歳だった女性はよくこの椅子におじいさんと座ったらしい。70数年経った今でも保管されていることがとてもうれしかったようだ。
「その椅子、おばあさんに返してあげられないの?」とネジャーティに聞いたが、今は国のものだから、あげるわけにはいかないらしい。ネジャーティ曰く、「でも、その椅子に会いに、いつでもその美術館に行けるからいいんじゃないかな。」
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