遠い昔、5歳か6歳の時に、幼稚園を休んで、東京の親戚の結婚式に行ったことがあった。当時新幹線はすでにあったが、それには乗らずに飛行機で東京に行った。飛行機も東京も初めてで、上野の西郷さんの銅像と、動物園に中国から贈られたパンダのランラン、カンカンを見たり、東京タワーに上ったりした。
結婚式で泊まったホテルで、目の前で揚げてくれる天ぷらを食べたそうだが、今の物価でも十分高い、海老1匹700円の天ぷらを4匹おいしそうに食べたらしい。それをネジャーティに言うと、お父さんとお母さんは海老なんか食べられなかっただろう、と言ってたが、自分が親の立場だったら、きっと食べてる場合じゃなかったと思う(両親はもちろん海老には手が出なかったようで)。
その場のことは全然覚えていないのだが、海老のことは言われてみれば、おいしかったという頭での記憶というより満足感の感覚が残っている。
先にも後にも食事でこのような類の贅沢を越えたものはなく、小さい時の無邪気さというのは時としてとても恐ろしいことをしでかすんだなと思い、反省した。
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