2005年12月08日(木)
 Jリーグ最終節

それにしてもJリーグはおもしろかったねーーー。
セレッソサポーターの友人の気持ちを思うとちょっと辛いけれど
それでもやっぱり、私は私のチームを誇りに思います。

私の東京、部活サッカーと言われたあの頃も今も
相変わらずメンツは地味だし、そんな巧くも強くもない。
だから、出来うる限り闘って負けるのは仕方ない。

でも、走り負けることと諦めることだけは絶対に許さない。

そういう積み重ねの結果があれで、実に私たちらしく、
そしてセレッソらしい結末だったなぁと思います。



私はその日等々力競技場にいました。

最後の最後に選手が揃って、首位の呪縛から
逃れられたガンバはとても強かったよ。

川崎サポーターの友人が隣でへこんでました。
やっぱり、目の前で優勝を決められるのは悔しいよね。

でも、性格がきっつい私は、ちゃんとみといて悔しいと
思った方がいいよ、なんて酷いことを口にする。

昇格初年度でさ、きっとクラブ関係者も選手もサポーターも、
現実的に優勝を考えてたひとなんていなかったと思うのよ。
初年度で優勝シーンがみれたのはラッキーだったんじゃない?
だって、優勝したいなぁって思うでしょ、あれみたら。

願わなければ、叶わないのだよ。



そして引退のセレモニー…

相馬直樹は私にとって特別な選手でした。

五輪代表に選ばれてたし、学生の頃から優秀だという噂は聞いていた
けれど、実際に彼を初めてみたのは鹿島に入団が決まった年の、
開幕前のプレシーズンマッチ(ペプシカップ)パリサンジェルマン戦。

大好きなダニエル・ブラボという選手が来日するので
うはうはと東京ドーム(!)へ行った私は一目見て彼のプレーが
大好きになりました。

仲間のために何度も労を惜しまずサイドを駆け上がり、戻る
そのタイミングの良さ、ポジショニング
他の選手がいかにもプレシーズンマッチというプレーをする中で
彼(と熊谷くん…彼も今年で引退だってね。お疲れさま)は
とても目に付いて、即戦力のいい選手だなーって思った。

シーズンが始まった。
まだジーコは現役で技術は相変わらずだったけれど、
悲しいことに体力はずいぶん落ちていて、彼が活躍するためには
補助のような汗かきプレーヤーがいないと成り立たなくなって
きているようにみえたし、鹿島の選手たちは尊敬のあまりか
そんな彼に遠慮しながらプレーしているように私にはみえた。

ところが、新人の彼は違った。
多くのひとがもう前みたいには走れないし…と思っていたジーコに
実に的確に”そこだ走れパス”を出したのだ。
ジーコがそれはもう走らざる得ないだろうってパスを。
そして私はジーコのゴールがみれた。
ますます彼が大好きになった。

それからの活躍は言うまでもないけれど、忘れられないのは
代表に選ばれ始めの博多の森であったキリンカップのメキシコ戦と
98年大会予選の、チャムシルでの韓国戦。

キリンカップのメキシコ戦は間違いなく加茂ジャパンのベストマッチで
あの日の相馬とモリシは最高だった。
そして崖っぷちだった韓国戦。あきらめかけてる友人らに
「本当に行くの?」と言われ「なにいってんの?まだ終わってないよ?
ここで私が応援しないでどーすんの?」と即答して旅立った初の海外観戦。
あの日の相馬と名波は最高だった。


だからね
引退セレモニーの後、ちょっと辛かったんだ…
川崎の選手としてだけじゃなく、日本を代表した選手として
引退式をやってあげたかったの。

そう思いながら席を立って、Gスポット裏を通って帰ろうとしたら
いったん引き上げた選手たちが戻ってきた。

相馬がなんか喋りそうだぞ、と思ったその時
2階から大きな布で目の前を被われた。
それが降りてきた瞬間、不思議なほどハッキリと判ったんだよ。


『あっ!!!フランスの時の日の丸だ!!!』


私の中で、色んな感情が弾けた。
号泣…だったと思う。
声をあげて泣き出してしまった…

あの時、あの気持ちを共有したひとは判るよね?

国立、ソウル、ジョホールバル、そしてトゥールーズへ
スタジアムの通路や空港で日を追うごとにみんなの気持ちが
書き込まれていって、真っ黒になっていったあの日の丸。

私と同じ気持ちのひとがきっと他にもたくさんいて
そしてきっとこの日の丸で、少しは彼に私たちのこの感謝とか
言葉にできない大切な気持ちが届けられたような気がした。

持ってきてくれたひと、本当にありがとう…


彼は、一緒に夢を共有して、私の夢の一部をかなえてくれたひと。
私をワールドカップに連れていってくれた、
日本サッカー史上最高の左サイドバック。

最後の2試合、東京戦とガンバ戦に右サイドだけどスタメンで出れて
やっぱりさすがだなって思わせてくれるプレーを残していってくれて
そしてそれを実際にみれて、とってもうれしかった。


大好きでした。
ありがとう。

お疲れさま。

そして、これからも一緒に日本サッカーの、
夢の続きを作っていこうね。



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