2002年06月19日(水)
 『Rock & Roll Is Dead』 Lenny Kravitz (日本×トルコ戦)

開幕からこっち、初めての試合自体がない一日、私は久々に仕事に出掛けた。
出勤前、いつものように書店に立ち寄ったら、Jドリームの文庫化最終巻
(最初の、J開幕〜アメリカ大会予選編)が出てて通勤の電車の中で読み始めた。

そこには「俺はワールドカップに行きたいんだ!」という
強い意志を持って、選手生命を賭けて戦う男たちが描かれていて
私は涙が溢れてきて、いたたまれなくなって途中で本を閉じた。

悔しいのは負けたことなんかじゃないんだ。
どうして自分たちのサッカーをしなかったのか。
疲れていたのは同様なのに、どうして足が止まってしまったのか。
私は、最後は私のチームを誇りに思いながら終わりたかったんだ。
こんな中途半端なさみしさを感じるんじゃなくって
心から、誇りたかったんだ。お疲れ様、よくやったと思いたかったんだ。

日本の子供たちは、「祖国」のために戦う戦士では、ない。
そして・・・ワールドカップが最高の夢であった時代は終わった。
長い間、私たちにとって「世界」は、ワールドカップだった。
けれど今の選手にとっての世界は強国のリーグのことであり
そこでの「ワールドカップ後」の未来を夢見るから
今ここで怪我をするわけにはいかず、死に物狂いにはなりえない。

それがその瞬間、判ってしまった。

日本は確かに強くなったのだ。
夢見ていた世界は、概念からすっかり変わってしまい
私ひとり、取り残されてしまった。
子供たちは成長して、とうに私のイメージを飛び越えていた。

過密日程のリーグ戦を実際に戦ってきた一流の選手たちは
皆一様にどこかしらに故障と疲れを抱え本来の姿とは程遠く
期待の強国は敗れ去る。

94年大会以降FIFAの金満体質はどんどん悪質になり
「お金じゃ買えない価値」を手に入れるためにやっきになった
私たちは、キックオフ前に疲れ果ててしまった。

私は、これからも彼らと夢を共有できるのだろうか?

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とても楽しい毎日だし笑ってることの方が多かったハズなのに
開幕後、一番初めに書くことがとてもヘヴィな内容でごめんなさい。
他にも書きたいことは色々とあるのだけれど、今、私の中を占めてる
私にとってあまりにも残酷な現実を6/19の日記として。

と、前置きして掲示板に書き込んだものの転記です。



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