CORKSCREW Diaries(米国編) |
昨日の登山で疲れていたはずなのに朝早く目は覚めた。 出発まではまだ多少時間はあるので、朝のスタヴァンゲルの街を散歩した。 8月の北欧の朝は、結構涼しくって、長そでのシャツを着ていても多少寒いぐらいだった。 朝7時半、人は少ない。 石畳の街を歩いてみるけれども人とすれ違うこともなく、そして店はほとんど閉まっている。 街並はアイスランドの首都、レイキャヴィークとよく似ている。さすがに北欧の街と言うだけのことはあるのかも知れない。こんな地方の街にも韓国料理の店があったりなんかして非常に興味深かった。 駆け足の滞在になってしまったスタヴァンゲルだが、こうして歩いてみると面白い。 せわしなさすぎる日程を少し呪いながら(と言うものの自分で立てたものであるのだが)ホテルに戻って朝食を摂る。 高級ホテルのSASの豪華な朝食とは言え二日も同じようなものを食べるとさすがに飽きる。 僕は食事は何でも大丈夫かと思っていたが、こんなに米の飯を食べなければ気が済まない体質だとは思ってもみなかった。まあこれだけ毎日同じものばかり食べていたらね。 普通のところに行ったら高いだろうし。 値段の割に大したものが食べられないことはよく知っているのだ。 移動ばかりになってしまっているこの旅、今日はスタヴァンゲルからベルゲンへ一気に移動だ。 ところでスタヴァンゲルからベルゲン、地図上で見るとそれ程でもないのだけれども、じつはかなり距離がある。バスで五時間ぐらいかかるのだ。やれやれ。 スタヴァンゲルには船とバスと言うふたつの移動手段があったのだが今回はバスを選択した。 バスって言ってもずっと陸路じゃなくって、ところどころはフェリーで渡るのだ。 ノルウェーの西海岸ってかなりいびつな海岸線をしていて、とても陸地を辿るだけで北上するのは不可能な訳。もちろん海底トンネルを造っているところもあるんだけど、まあそれもコストがかかるし、距離もあるところが多い。それで結局フェリーで渡ると言うことになる。 橋を造ったのはいいが全然建造費がペイできていない日本とは違って、無理やりに自然破壊を行わずに環境と共存していこうという姿勢は非常に評価できる。そこまでして高い建造費をかけなくともフェリーで事足りるものは足りているのだ。現実としてこの国ではフェリーは国民の重要な移動手段となりえているのだ。 チェックアウトを済ませたあと、昨日確認したバスターミナルに行く。 週の始まりのバスターミナルの人はまばらだった。 国際学生証を見せたらあっさりOK! 2割引になるのは嬉しい限り。 そしてベルゲン行きのバスはまあまあ混んでいた。 ぎゅうぎゅう詰めと言うほどではないにしろ、程よく席は埋まっていた。 そしてバスは北上する。 フィヨルド地帯を縦断していく。 途中で2回フェリーに乗って渡るのだ。 始めの頃は窓の外の世界を眺めていたのだが、 次第に眠くなって眠りに落ちる。 昨日あれだけの山登りをこなしてしまったから、すぐに寝てしまった。 こういう道を車でドライブできたら素敵だろうな。 それが出来たアイスランドは本当に素敵だった。 自分で運転していたら眠ることもなく目を皿のようにして窓の外を眺めていたことだろう。 5時間と言う時間はさすがに長かった。 いくつもの山を越え海を越え、ようやく辿り着いたのは2時過ぎ。 ベルゲンは一年のうち2/3は雨が降っているという話だったのに今日はいい天気。 天気がいいのはとても嬉しい。 懸念されていた宿だが、 駅についてすぐに電話をして確保。 駅からすぐ近くのゲストハウス「マルケン・ギュステヒュース」。 インフォメーションに行くのも面倒なので直接電話してしまった、 見知らぬ土地で英語を使って宿の確保なんて大変だが、結構出来るものだ。 問題は、世界遺産に指定されているウルネスの木造教会に行けるかどうか、これにかかっている。 オスロでもスタヴァンゲルでも「ベルゲン」に行って聞いてみてくれ、なんてことを言われたからなあ、 ここまで引っ張ってくれた以上は落とし前をつけてもらおうじゃん、 とは言え、ここでも何ともならないような気がするのは気のせいだろうか・・・ 予定が未定なのはここだけだから、なんとかしたいのだけどねえ。 正直今回の旅でこのウルネス行きだけがどうしても情報が見つけられず、 出たとこ勝負に賭けてきたけど、今回も上手くいくのか・・・ そして僕らはベルゲンのTOURIST INFOMATIONに向かう。 ・・・結果から言うとダメだった。 インフォメーションで番号札を取って長々と待たされた揚げ句(バイトらしい)お姉ちゃんに困ったカオをされた日本人二人。 「世界遺産に登録されている木造教会のあるウルネスまではラールダールから船で20分」 と「地球の歩き方」には書かれていたが、それを言ったら、 「ここでは判らないからラールダールのインフォメーションで聞いてくれ」との回答。 ウルネスの木造教会って言うのはそれほどまでにマイナーな場所らしい。 ユネスコの世界遺産を有難がって見に行くのは日本人ぐらいなのだろうか。 果たして本当に行けるのか???? ここまで「地球の歩き方」に辛酸を舐めさせられまくっている僕らとしては、 「世界遺産に登録されている木造教会のあるウルネスまではラールダールから船で20分」 と言う一文だけを頼りにして行くのちょっと・・・。 しばらく考えることにして、一旦引き下がった。 うーん、頭がくらくらしてきた。 今回の旅で何度も経験することになる消耗、一回目 どうするよ、どうするさ、こんな未確定な情報を頼りにしてラールダールに向かってしまっていいのかよ。 本当にラールダールに行ったらウルネスの教会を見に行けるのか??? そしてベルゲンにまで来て情報がないのは何故なんだ!!!! 小一時間考える。 別にウルネスにこだわらなければ明日一日はゆっくりフィヨルドを観光してそして明後日にはのんびりオスロに戻ることが出来る。ありきたりのルートだけど、それでもいいと思うのだが・・・ とその時、 「行くだけ行ってみてそれで考えよう」 そう言ったのは今井くんだった。 その一言を待ってたんだよ。 そうさ、行ってみなければわからねえ、そうだろう? これでもしウルネスに辿り着けたのならばそれで旅人レベルは上がるし、 ダメならダメでしかたねえ。それも経験だ。 個人旅行は所詮0か100なんだから。 失敗したって仕方がない。 もしうまくいったら、その感動は2倍3倍になって跳ね返ってくるんだ。 さあ道は決まった! 明日は朝一の電車に乗ってラールダールに向かう。 時間は遅くなっちゃったけど市内観光だ。 運良くベルゲンの魚市場がまだ開いていた。 日本人も結構来てんだろうね。魚市場でも日本円が使えるらしい。 そう言うのを見るとなんだか観光客向けのように思えてちょっと興ざめだが。 サーモンが乗っかったパンを買ってみる。 ・ ・・あんまり大した味はしないなあ。 ノルウェーサーモンは魅力的だけどさすがにこんなの持って帰れないからすぐに魚広場を後にする。 しかしそれにしても明日の予定を考えると本当に気が重い。 なるようにしかならんの分かってはいるんだけど・・・ かなり消耗してしまったので、一度宿に戻って休憩をとる。 1時間ぐらい寝たら頭が大分すっきりした。 ついでにラールダールのホテル?ゲストハウス?に電話をして明日の予約を取った。 英語で電話なんてとても緊張する。 パンフレットに名前が載っていた宿に適当に電話したので、 どんな宿かも分からないし、何処にあるかも分からない。 頼りになるのは電話番号のみ。なんてリスキー。 宿のご主人はえらい甘い英語を話す男性だった。 でもまあ次の日の泊まる場所があることはそれだけでもとても安心だ。 今日一日に残された時間は少ないけれど、出来る限りベルゲンの街を歩こう。 宿を出るときは午後7時を回っている。 北欧の夕暮れは長い。午後7時と言ってもまだまだ明るい。 さすがにミュージアムの類いは閉館しているけれどもこれまた世界遺産のブリッゲンは街並だから別に何時になっても問題はない。そうしてベルゲンの街を散策することにする。 石畳の道で出来たベルゲンの街は風情があった。さすが欧州の街並だ。 このベルゲンをスルーするだけで終わってしまうのはあまりにも勿体無いんだけどなあ。 徒歩で歩いていける範囲しか行かなかったけれどもそれでも楽しかった。 いくら日が暮れるのが遅いとは言え八時を回るとようやく西日が差してきた。 西日を受けたブリッゲンの街並はとても綺麗だった。 傾いた太陽を背に受けながら僕ら世界遺産の通りを歩く。 そしてようやく暮れかけたベルゲンの街を歩いて、 レストランで食事をとった。 折角だからサーモンを食べようということに。 本当はスモークドサーモンとかが良かったのだが、ボイルドサーモンになってしまった。 「地球の歩き方」に乗っている店で、日本人もたくさん来ていたが、味は今一つ。。。 それでも「Howユs food? Good?」と聞かれて「yeah」と答えてしまう自分が情けない。 しかしやっぱりサケは塩鮭、そして銀シャリが一番美味いなんてことは口が裂けても言えないのである。 ボイルされたサーモン一切れにマヨネーズがかかってスライスされたキウリとじゃがいもがトッピングされただけ、これで1800円は高い、高すぎるよなあ〜。 日本を出てから三日目だけれども相変わらず時差ボケはどうにもならず8時過ぎというのに非常に眠い。 朝はかなり早く目が覚めてしまう分、夜は早く眠くなってしまうんだよね。 まあ現地時間8時は日本時間午前3時だから、当たり前か。 それにしてもノルウェーは物価が高い。 分かっていたけど高い。 何とかして〜。 と言うことで宿に戻って寝る。 明日の朝も早い。 果たしてラールダールからウルネスまで辿り着くルートは見つかるのか??? その後の宿は無事に見つかるのか??? 不安なまま眠りにつく。 と言うか、あんまりよく眠れなかったんだけどね〜。 |