CORKSCREW Diaries(米国編)
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2002年05月02日(木) 日本語教師養成講座3(まだまだ続く)


言語のしくみ


今回はもう少し詳しく日本語の解析をしましょう。
ってことでまずは合成語の修飾部と被修飾部分である主要部について。
この辺、僕ら日本人にとっては直感的に分かるものが多いんだよね。これが僕らが日本人たるゆえんで、感覚的に分かっちゃうから日本人なんだよなあ。が、自分が分かってても人に教えられなければ意味がないのだ。

で、例えば野球少年という合成語は、
野球をする少年ってことが僕らには分かる。
野球(修飾部)-少年(主要部)と言う感じになってる訳。
これが逆になったら、
少年野球 これだって分かる。
少年のする野球。高校野球もプロ野球もそう。前の部分が修飾部で後ろが主要部。
意味するところは、分かるよね。

でまあつまり、合成語って言うのは、
このように前の言葉が後ろの言葉を修飾しているのだ。
で、前後の位置はその場合も変わらない。
以下、合成語の細かいルールなどについて詳しくみていくことにしよう。


合成語は、二つ目の言葉が濁る傾向にある。
これを「連濁」と言うのだ。その場合でも、修飾-主要の位置関係は変わらない。
僕らはあんまり気付くことなく使ってるけど、
コレ、かなり多くあるのだ。
例えばね、

「まつり」+「たいこ」→まつりだいこ
「ほん」+「たな」→ほんだな

先生が例としてあげてくれたものとしてはこんな感じ。
これは見ての通り、連濁が普通に起こるもの。
ま、例外は当然のごとくあるんで、それがどんな感じか見てみると、

「しぜん」+「たい」→しぜんたい
これはねえ、後の「たい」が音読み→つまりは漢語からの借用語だから、濁らないのだ。
同じ様な感じで、
「こうきゅう」+「ほてる」→こうきゅうほてる
これも濁らない。なぜなら、ホテルはやっぱり外来語だからなのだ。
例外として、こんなのもある。
「いろは」+「かるた」→いろはがるた
いろはがるたと言っても、京都にある居酒屋のことじゃあございません。
あんね、「かるた」って言うのは元々ポルトガルからやってきたのよ、
てんぷらとかこんぺいとうとかと一緒にさ。
だから本来は外来語なんだけど、まあ500年近くも経つうちに和語化したと見なされて、で連濁するようになったって訳さ。まああんまり多くはないけどこう言うのもあんのよ。

他に濁らないパターンとしては、
「やまと」+「ことば」→やまとことば
「やまと」+「たましい」→やまとだましい
なんて言う比較にも見ることは出来る。
これは何でかって言うと、後ろの語に濁音が入っちゃってるでしょ? 上の例は。
こう言うときも濁らないらしい。
まあ濁音が連続すると、発音的にも汚くなるもんね。
と考えるとみょうに納得してしまう。

それから最後に、
「くさ」+「き」→くさき
「やま」+「かわ」→やまかわ
これも濁らない。これは前後の関係が修飾ではなく、並立の関係だからなのだ。
連濁が起こるのは修飾-主要の関係だけなのだ。

これらのことは、普段僕らが感覚的に使っているもので、
いざこうやって勉強して初めて気付くものだ。
日本語を学ぶって言う事は、
普段こうして、「当たり前」って思っていたことを、
再認識することから始めるものなのかもしれない。

続く





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