CORKSCREW Diaries(米国編) |
前回の時間のまとめると、とにかく日本語は勉強するのに難しい!!!! ってことが分かったんだけど、今回の時間は、実際に外から日本語はどう見られているか、 それについて勉強してみよう。 まずは外国人から見た日本語の印象と観察 これはレジュメに書いてある通りに書いてみるけど、 1 難しい言語である まあとにかく難しい言語だよね。先週のレポートにまとめるだけで四苦八苦。って言うか僕ら日本人にとっても日本語って難しいじゃん。もうちょっと簡素化とか出来んのかねって思うもんね。まあさ、どの辺がどのように難しくって、何が問題なのかって言うのは、これからまた詳しく書くことにするから、ここはこれぐらいにしておくね。 2 文法を学んでも正しく使うことが出来ない 今の日本語の文法は、学校文法と言われるものである。コレ何かって言えばいわゆる一つの僕らが学校で先生に教えてもらう文法。コレさ〜、何が一番問題かって言うと、とにかくもう、古いんだよね。大体が平安時代の分布を整備して使われてものなんだもん。確かに整っているかもしれないさ、平安時代の文法って。だけどそれをさ〜現在の日本語にあてはめようとしたって所詮ムリなんだって。ましてやそんなモノを外国人が勉強しても、正しく使えるわけが無いんだよ〜。 んであと、やっぱり日本語はアジア諸国で多く学習されているんだけど、特に量・レベル共にトップクラスなのは中国・韓国なんだよね。やっぱり漢字を使える中国人は勉強しやすい。韓国語と日本語は類似点も多いし。 がしかしっ!!!!!!!!!! 問題なのはその国々で教えられている日本語も、学校文法の領域を出ていないのだ。まあそもそも、韓国中国と言った国々は、太平洋戦争前の日本によって無理矢理統合させられ、日本語を勉強しろと言う無茶苦茶なことをさせられていたのは周知の事実。で、その時に勉強した日本語を未だに覚えておられる老人も数多くいらっしゃる。(これも戦争の傷跡だね。それに付いてはここで詳しく触れるのは避けるけど) その時に植民地政策として教えた日本語もこの学校文法なのだ。 でまあ現在、中国韓国と言った国々で日本語を教えている第一線の教師たちは、戦時中にこの学校文法で勉強した人々から日本語を学習した訳であり、結局今なお、その時の学校文法の影響が色濃く残っているのだ。 まあね、先生も本来は文法とは言葉のルールやメカニズムを発見することこそ大事なのではないか、って言ってたけど、そうだなあって思う。そんな意味でも学校文法は問題なんだよね〜。 3 漢字が多く、書き方、読み方が難しい 前回のレポートにも書いたんだけど〜、とにかくもう、漢字って言う文字は難しいんだわ。アルファベットも26文字しか無いし、ハングルだってすごく簡素に構成された言語じゃん。漢字って、いったいどんだけあるんだっけ? めちゃめちゃ多いじゃん。かと言ってひらがなだけにするのも問題だしねえ。それはそれで大変読みづらいしねえ、何とかならんのかなあ。 漢字でもう一つネックなのが、読み方が色々あるってこと。日本人なら誰でも習う音読み訓読みがまた日本語をややこしくさせてマス。韓国語なんかは読み方はまあ基本的には読み方は一つ!(だったはず) まあ少なくとも訓読みって言うのは日本で作られた読み方だから、漢字の国中国から来た人も読めないんだって。先生が言ってた例は、「清水寺(きよみずでら)」 こんなんはやっぱり中国人でも読みにくいだろうね〜。そんな事を考えたら欧米人が漢字を読む苦労たるや・・・辞書を引くにも部首も分からないだろうしねえ。 4 擬音語・擬態語がよく使われるが、学び方が難しい 日本語では本当によく使われる擬音語や擬態語。たとえば、にこにこ笑うとか、はっきり書くとか。日本人だったらなんとな経験的、直感的になんとなく理解してしまうのだが、ことコレが厄介で、外国人には本当に分かりづらいらしい。 僕も以前聞いたんだけど、韓国で日本語学校で働いている友達が、高級クラスの生徒に、 「くっきり」と「はっきり」の区別を教えて下さいと言われて言葉に窮したそうな。 いざ説明しろと言われるとこれほど難しいものはないんだよね〜、本気で。 しかも辞書に載っていない擬音・擬態語も多いんだな〜。 その時々に流行ったりするものや、地域地域で使われるものもあったりするからますますややこしい。 「まったり」とか「ほっこり」とか、「はんなり」とか、辞書にも載ってねえよどうすんねんコレ。なんて擬態・擬音語はたぶん死ぬほど多いと思われますです、はい。 5 敬語の使い方が難しい 難しいんだよコレさ〜。敬語なんてものは大体僕ら日本人にとっても難しい。若者なんてみんな間違った日本語を使ってて、それが社会人になって慌てて修正されるって言う感じかな。 でなんでこんなに日本語における敬語が難しいかって、結論から先に言っちゃうと、 状況によって相手を敬ったり(尊敬語)こちらが謙ったり(謙譲語)使用する敬語が異なるからなのだ。これを、相対敬語って言うんだけど、まあまあ本当に難しい。 親子の会話なんかでは僕らは敬語なんかつかわね〜じゃん普通は。でも公衆の面前ではもうちょっと改まった言葉遣いをしたりもするよね。また会社の人なんかに対しては、身内に関することは、へりくだった表現を使ったりもするよね。 例えば、「うちの父が行く」ってことを言うのに、「うちの父がいらっしゃいます」とは絶対に言わない訳で、正しくは、「うちの父が参ります」になるのさ。こうやってへりくだった表現になる訳よ。 これがお隣の韓国になるとまた違ったことになってくる。 韓国って言う国は、日本以上に目上とか目下とか言った序列に厳しい国で、こと敬語に関しても、日本よりも発達しているぐらいなんですわ。そういやあ、昔韓国にホームステイに言ったときも、やっぱり年上の人には敬語を使うって言ってたもんなあ。 ただ、韓国の敬語が日本の敬語と決定的に違う点は、韓国の敬語は、絶対的に敬語の対象が決まっているということなのよ、コレ。それは父であったり母であったり社長であったり先輩であったり。そんで韓国の敬語は、状況によってとかで絶対にへりくだったりとかも致しません!!!! つまり、先程の例でいくとね、「うちの父がいらっしゃいます」って言うのは、韓国語に照らし合わせると全然オッケイって言うわけなのさ。まあそういうことで韓国の敬語は絶対敬語と言います。どういうときにも敬語を使うってことでね。どっちが分かりやすいかって? そんなん韓国型の敬語の方が分かりやすいに決まってんじゃん。でもさすがに、「うちの父がいらっしゃいます」とは使えんよねえ、いくら僕らが敬語を知らないと言ってもさ〜。 5 論理的でない部分が多く、学習に時間がいる まあ確かに日本語は特に狭いコミュニティーの中では省略語が多くて他人には分かりづらいってのがあるかも知んないね。あと、まあちょっと話はずれるけど、省略って意味では、 「まいります」って言う言葉は、外国人から見たら誰がまいるのか主語が無いからわからないとか言われそうだけど、だけど僕らには、あ〜これは、僕の方から、「行く」って言うのが瞬時に分かるんだよね〜。これを理解すンのは難しいかもね。 まあ論理的なドイツ人に言わせると、ホントに日本語は論理的じゃないみたいで、 例えば、「テーブルに水をこぼした」なんていうのは、「テーブルの上の木の部分に水をこぼした」とまで言わないとダメらしい。つまりはそれは論理的ではないと。う〜ん、そんなことまで言われてしまうとちょっと辛いかも。 まあさ、学習に時間がかかるって言うのも、各言語によって違ってくるし、確かに中国語とか韓国語は日本語にかなり近い部分があるんだけど、他の言語はとても距離があるから、やっぱり日本語を勉強するのは難しい。フランス人が英語を勉強するのとはやっぱり訳が違うよな〜。 まあしかし個人的な見解を言ってしまうならば、日本語なんてものも日々変化しているものなんだから、やっぱり今使われている日本語が現在のスタンダードなんだよね。よく言葉の乱れとか正しい日本語とか言うことも言われるけど、そんな黴の生えたような言葉使ったっていみね〜じゃん。正しい敬語を使ったらそれがどれほどのメリットになるのかが分からない。ぶっちゃけた話、よっぽど韓国語式の絶対敬語の方が合理的だと思うもんな〜。 ま、こんなこと言う人が日本語教師なんてやったらいかんとか言われそうだけど。でもさ〜、そう思わない? 話は変わって、外国語と日本語との距離を考えてみよう。発音、アクセントは、それほどは問題ない。どの言語でも、問題なのは教える先生の発音やアクセントの方がより重要。関西人が先生だと、関西訛りになってしまうようにね。 ただし、韓国語に関しては別。なぜなら韓国語は、語頭は濁音が来ないからなのだ。また、これも韓国語の特性として、真ん中に清音が来ると自動的に濁ってしまうと言うルールもある。これかなり厄介で、韓国人に日本語を教えるときには要注意点になるみたいね。 もともと韓国語と日本語の文法は似ている所は多いから、韓国人が日本語を勉強するのはそんなに難しくはないんだよね。だから、とにかく発音をまず最初にたたき込むことが重要。文法とかは、後から何とでもなる!! 構文なんかも韓国語と日本語は大変近い。後の言語とはあまり近くはない。特に代名詞。ほら、僕らは身内の人に対して代名詞はあんまり使わないでしょう。お父さんのことを「彼」お母さんのことを「彼女」とは言わないもんね。恋人のことを「カレ」「カノジョ」と言うのはまたあれもちがうもんね。小泉首相(いつまで首相やってるかどうか分からないけど)に対して「彼の政策は・・・だ」なんてことは普通日本語では言わない。目上の人とかにはそんな代名詞使わないのだ。英語とかではごく自然だけど。 とは言え時代の流れかグローバリゼーションが進んできたのか、最近使う人も結構いる。友達とか先輩とかのことを指して、「彼」は、とか言う人。かくいう僕も使うこともある。まあこれも日本語が日々変化していくということでしょうがないんじゃないかなあ。 まあ、国際的には一人称二人称三人称とかが固定されている言葉が多いよね。 しかし日本語は代名詞が本当に多い。英語のyou もきみ、あなた、オマエ、貴様、関西では自分、とも言う(そういや二人称を「自分」っていう関西人に最近会ってないなあ)。ややこしいね。だけど本当に困ったことに、これさえ知っておけばどんなときにでも使えると言う代名詞は残念ながら存在しないのだ。 Youが、これだけの言葉に意訳することが可能なように、一つの言葉で二つの意味を兼ねることも結構ある。外国人の誤用例として、ドイツの人が言う、「これはわたしのオンナです」ってのもあるんだけど、ドイツ語ではwomanに当たる言葉が女性と、妻と言う二つの意味をかねるらしい。後からまた書くけど、これはある程度仕方がない間違いで、これを修正するかどうかは、その人の語学能力のレベルでいい。上級者ならば修正すべきだけど、初級者だったら流してしまってもいいレベルの間違いみたいだね。 特に中国語は、日本語と共通して使えそうな言葉が多いから、間違って使ってしまって変な意味になることが多い。勉強なんて言葉も、中国語では使わないのだ。(中国語で「勉強」は強制させられてやるものみたい) で、もう一回問題をまとめてみよう。 大体の問題点は上に書いた通り。ホントはいろいろ間違った使用例も教えてもらったのだけど、さすがにそれは省略。まあ漢字とかも読みにくいし、読める人は読める人なりに、意味が違ったりして、ホント、ややこしい。日本語。もちっとなんとかならんのかねって言うぐらい。 躓くポイントは山ほどあるね。本当にね。 言語観も、やっぱりアジアは文字重視なんですよ。欧米は、話し言葉重視。それは確かに他の言葉を勉強してても思うなあ。 後はね、教えるときにはなるべくその人のレベルに合わせて修正すること。初級者レベルではある程度の仕方ないミスもある。スムーズな会話とは行かなくとも、まあ意味を類推すれば通じると言ったレベルの間違いはまずは流してもいいんじゃない。上級者になってからまた修正したらいいのだ。ただね、発音だけは変なクセがついたら大変だから、初級者でもしっかり直す必要はある。これは注意しないといけないね。 ま、日本語の難しさたるやもう絶望的〜。こんな難しい言語一体誰が考え出したんだか。 と言うことで、この時間の講義は終了。 次回に続きます。 |