1998年06月05日(金)
昨日久々に「影武者・徳川家康」を見た。 隆慶一郎さんの作品だ。 隆慶一郎の時代小説も、池波正太郎と並んで好きだ。 彼の小説にはまったきっかけ、一番好きな物語は 「死ぬことと見つけたり」。 佐賀鍋島藩に伝わる武士の心得「葉隠」をモチーフに書いた物語ですが、 中身がなかなか独特で、毎朝の日課が「入念に死んで置く」こと。 (前略)
今朝の斎藤杢之助は、猛虎を退治することが目的ではない。自分が殺されること、正確にはその凶暴な爪で金左衛門同様、頭のてっぺんから股座まで、まっ二つに引き裂かれて死ぬことが目的なのである。
(中略)
猛虎が一言吼え、同時に跳躍した。かっと口を開き、杢之助の頭を噛み砕こうとした。杢之助は僅かに右に跳んでこの攻撃をかわしている。囓られるのでは今日の趣旨に反する。どうしても爪で引き裂かれねばならない。
そして最後に一言、
「しかし悪い死に方ではない。」
などなど。 プロ意識や、物事の徹底という面など、結構勉強になりました。 悲しいかな、彼も急逝してしまいました。
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