宇佐美彰朗の雑記帳

2004年09月04日(土) アテネオリンピック大会TV観戦から――その1

昨今の景気低迷の中で、日本のスポーツ関係者のみならず日本人の多く
が、久しぶりに大きな明るい話題に終始したオリンピック大会期間を過
ごすことができました。もちろん宇佐美もその一人であります。

日本代表選手たちの活躍ぶりを観戦するために、とりわけメダル獲得の
瞬間をともに過ごすために、われわれはみんな寝不足におちいりました。
というのは放送時間が深夜から明け方の時間帯だったため、徹夜同然の
観戦だったからです。このことは、スポーツに直接かかわりを持つ者か
らすると、以下のことを期待できるのではないでしょうか。

つまり「スポーツという文化」に触れることができ、スポーツを色々な
側面から見ることができたのではないか、ということです。つまりスポー
ツが、競技者にとって「するもの」としての魅力をもつだけでなく、「み
る」こと、観戦することの魅力を実感できた瞬間があったのではないかと
いうことなのです。

メダルに関わる対象者が多かったということが、そのことを増幅させた
面が確かにあったのでしょう。単に「スポーツをすること」「スポーツ
に参加すること」だけでは味わえない魅力を確かに満喫することが出来ま
した。これまでの日本のスポーツ界は、このことの追及ばかりに終始して
いたことか、今になると恥ずかしいほどでであります。極端な例ではあり
ましょうが、国際大会に参加した関係者から直接聞いた話ですが、つい最
近まで「負けたら胸を張って帰れない!?」というのをよく耳にしたもの
でした。勝敗にかかわらず、今回のように堂々と戦った競技者の姿を見る
ことは、なんと素晴らしいことか!! スポーツのもつ魅力を、多くの方
々は再確認されたことと思います。

ともあれ今回のオリンピックで、素晴らしい活躍をした日本の代表選手
たち、世界の大舞台で臆することなく振まった「主役である若者たち」に
大拍手でエールを贈りたいと思います。

また、応援者としてのささやかな感動を、ここでご紹介したいと思いま
す。友人の家庭のある日の出来事です。普段は夜早くに寝てしまう高齢者
ご夫婦が、マラソンを深夜観戦するために、目覚ましを掛けて放送時間に
起き出し「ばあさん!時間だぞ!テレビを入れろ!・・・」のやりとりの
声がして、驚いたことに、お二人はとうとうゴールまで観戦していました
と、ご夫婦の娘さんが話してくれました。

このたびのアテネ・オリンピック大会は、日本におけるスポーツへの関
心を、いろいろな面から広げ深めてくれたような気がします。
                           宇佐美彰朗




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