7 8 * t o p i c s
A/M:前田隆選手 S/K:山形恭平選手 T:山形辰徳選手 H:東福岡高校

2004年05月25日(火)  K:サッカーマガジン976号「 People80」に登場 

サッカーマガジン976号
People80 Light Interview 97

油断禁物。
「いま」を継続したい


 東福岡高校時代に全国制覇、大きな期待を背負って広島に加入したものの、その後は鳴かず飛ばず。加入4年後の昨年末に戦力外通告。だが、サッカーへの思いは捨てがたく、今季、再起をかけてテスト生として福岡へ。初出場となった6節京都戦、7節大宮戦で連続ゴール。プロ契約にこぎつけた。挫折を味わった男が地元でたくましく蘇った。


 高校を卒業して入った広島での1年目、2年目というのは、悩んでばかりいました。加入したばかりのころは、プロのレベルの高さに悩んだ。だけど、自分のレベルもアップして、調子も良かった2年目は、試合になかなか出ることができないことで悩みました。何でだろう? どうして使ってもらえないんだろう、と。3年目もほとんど出番がなくて、そのころは投げやりになっていましたね。『調子がいくら良くても、どうせ使ってもらえない』と思い始めたんです。

 でも4年目は考えを変えました。試合に出ることはできなくても、とりあえず自分を信じて、自分のプレーを続けよう、とりあえずチャレンジしようと決めました。チームがJ2に落ちたことも気持ちの切り替えに影響したのかもしれません。

 サテライトの方で頑張っていたんですが、そのうちにトップチームに入るようになって、少ないけれど試合にも出ることができるようになった。でも、もしかしたらクビになるかもしれないとは思っていました。

 実際に昨年の終わりに戦力外通告を受けたんですけど、そのときは、サッカーをやめようと思いました。いろいろと新しい道を考えていたんですけど、やっぱり戦力外通告を受けたことが悔しかったし、自分にはサッカーしかないと思い直して、アビスパのテスト生として、もう1回チャレンジすることに決めたんです。

 これまでのことはすべて忘れて一から出直そう、ではなくて、いいことも悪いことも含めて、4年間で経験したことすべてを生かそうという考えで福岡に戻ってきました。

 テスト生という身分に引け目やプレッシャーを感じることはありませんでした。もし、契約できなくても後悔しないよう、とりあえず頑張るだけですから、意外にのびのびとできましたね。練習着に僕だけ背番号が入っていないから少し寂しくなったりもしましたが、高校時代のいいときの僕を知っている人たちから、契約できるように頑張れとか、チームのためにいいプレーを見せてくれと励まされたから、気持ちを強く持つことができました。

 6節の京都戦のゴールは、あっという間に入ったんで、喜びを実感したのは家に帰ってニュースの映像とかを見てからですね。7節の大宮戦も続けてゴールできたのは、前へ前へ、自分がゴールしてやるんだという気持ちが出た結果だと思います。

 8節の仙台戦が終わってからプロ契約を結ぶことができたんですが、ほっとすると同時に気持ちが引き締まりました。契約した途端につまずくことがないよう、連続ゴールがまぐれだったと思われないように、この調子と気持ちを継続していかなければならないと思いましたから。とにかく油断は禁物です。

 今後の目標はまず、J2で優勝してJ1に昇格すること。個人的には、ゴールも、アシストも、守備も、すべての面で頑張って結果を出すこと。でも、特にゴールを意識したいですね。昔は、アシストすることの方が好きだったんですけど、いまはゴールの方が……。ゴールはやっぱり気持がいいし、“中心”になれますから。
もどる 

 < PREV  INDEX  NEXT >


REGISTA [HOMEPAGE]