2004年04月25日(日) |
K:西日本スポーツ記事「山形 決めた 3位浮上 4年ぶりの地元で大仕事」 |
2004年04月25日付 西日本スポーツ 山形 決めた 3位浮上 4年ぶりの地元で大仕事
テスト生へのスタンディングオベーションが博多の森のスタンドを包んだ。アビスパ福岡MF山形恭平(22)が、試合終了10秒前に決勝ゴール。前節・京都戦の先制点に続き2戦連発のヒーローは、両手を挙げて歓声に応えた。
「最高です」 ラストプレーだった。DF増川からボールを受けたFW福嶋が、ゴール前にもぐり込んできた山形にパス。「とにかく自分で決めようと思っていた。冷静そうに見えたかもしれないけど、むちゃくちゃドキドキしてました」。大宮のDF2人をかわした右足のシュートがゴールネットを揺らした。 博多の森は大好きなグラウンドだ。公式戦で最後にピッチに立ったのは、東福岡高3年の全国高校選手権福岡県予選決勝。今は“同僚”のMF有光がいた東海大五高と対戦し延長戦で得点、選手権切符をもぎ取った。
4年半ぶりの故郷での活躍だったが、無給のテスト生だけに勝利給はもちろんない。試合後の控室でイレブンに「少し分けてくれても」と“当然”の要求を試みたが、笑顔で無視され苦笑い。一方で、試合後に広島時代の後輩FW木村から「ナイスゴールです」という祝福メールが届き、笑顔を振りまきながらバスに乗り込んだ。
チームは3位に浮上。首位川崎との勝ち点差は3に縮まった。得失点差で3のリードを許しているものの、次節はJ2降格以来初の首位奪取の可能性もある。松田浩監督は「非常に大きな勝利。ドローと勝ちではムードがまったく違う。自分が監督になってからこういう勝ち方は初めて、チームにとっても自信になる」と声を弾ませた。昇格へのライバルを連破したアビスパが、ようやく波に乗った。 (森竜太郎)
◆山形 恭平(やまがた・きょうへい) 1981年9月7日生まれ、北九州市出身。二島中―東福岡高―サンフレッチェ広島。広島は昨年戦力外に。東福岡高2年の全国高校選手権で戦後2人目の決勝でのハットトリックを達成。167センチ、61キロ。
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