西方見聞録...マルコ

 

 

コロナの春、家族が去る - 2020年05月23日(土)

 2014年の秋に県立動物愛護センターから譲渡犬として我が家にやってきて6年を過ごした柴犬の「たいよう」が今日、天に登ったというか土に還った。捨て犬として街をさまよっていたところを保健所に保護された彼は年齢は不肖だったが、歯の感じから1歳半の成犬であるということだったので。彼は推定7歳でこの世を去ったことになる。

 2014年当時小学校6年生だった次女おKさんの、比喩ではなくて、100度のお願いに根負けして、保健所(宇陀アニマルパークの動物愛護センター)で譲渡講習を受け、家庭訪問を受け、彼は我が家にやってきた。

 以来6年、おKさんのなかなか波乱な中学時代もそろそろ終盤な高校時代も彼は常に彼女を至近距離から見上げ、愛をささげた。

 6年間、定期テストの朝だけ私が散歩を代わり、競技かるたの練習で遅くなる時は夫あめでおさんが散歩を引き受けたけれど、ほとんど休まずおKさんが第1保護者として6年か毎朝毎晩散歩をした。私とあめでおさんは何となく祖父母っぽく、おKさんの子育てならぬ、犬育てを見守った。

 コロナな2020年春、それは大変で私は仕事人的にものすごく7転8倒している。でも4月半ばから調子を崩したたいようを看取るのに、この1か月のリモートワークは大変助かった。お医者にも何度も行って、納得がいくまで検査してもらえた(いつもの激務シーズンの4・5月ではこうはいかなかった)。

 コロナが無ければ今日は競技かるたの世界大会で、なぜか日本代表に選ばれちゃってたおKさんは本日は近江神宮で世界大会を戦い、明日は女流戦で福井へと転戦する予定だった。

 でもコロナなおかげですべての予定がキャンセルされたこともあり、今日1日をしっかりたいようのそばについて,彼を看取ることに時間を費やすことができた。コロナを激しく恨んでいたのだが、こんな世界の片隅の柴犬の生涯の終わりを豊かにしていたとはね(いや世界中の人にとってはほんとどうでもいいだろうけどさ)。

 我が家に来た時、大人のとば口に立っていた、おKさんと同世代だったたいようはものすごいスピードで年を取り、人生後半戦に差し掛かり、まあ現在50代前半の私と同世代になって、そして病を得て、おKさんの腕に抱かれてこの世を去った。


 6年間本当にありがとう。君のことを忘れないよ。第1保護者のおKさんの悲嘆をどうにかするのが祖母たる私の役割と腹をくくって君がナイトとして仕えた彼女を支えていくから、ゆっくり休んでください。





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