西方見聞録...マルコ

 

 

重重プロジェクト 写真展に行く - 2012年10月13日(土)

 この日は重重プロジェクトの写真展に行きました。中国に置き去りにされた元朝鮮人従軍慰安婦(英語ではSex slave)のおばあさんたちの今を写した写真展です。

 写真のキャプションは淡々とそのおばあさんたちの名前、付けられた日本名、働いていた慰安所の名前、そしてその時の年齢を示していました。その時、13歳、17歳という余りにも若い年齢と今のおばあさんたちの写真、その間重ねられたであろう年月が胸に迫りました。

 入口のところには数名のボランティアさんがいて写真展に来る人をガードしてくれました。私が行ったときはちょうど老人が「強制連行はなかった、韓国だってベトナムで慰安所を作った」とボランティアの人と押し問答をしていたので、ボランティアさんが1人私をエレベーターまでエスコートしてくれました。

 学術的な研究結果や世界の認識とここまで乖離した「慰安婦」をめぐる言説が流布してしまったのはなぜなのだろうと思います。ふぇみん誌の2012年11月15日号の第3面に「『慰安婦』問題これで反論:『強制連行』否定論に惑わされないために」、ということでコンパクトに今ある日本で広く為政者が喧伝した嘘(強制連行がなかった、や慰安婦は売春婦である、など)へのあざやかな解説記事が載っています。
 分断された世界観の溝を超えて語る声を探しあぐねもしますが、おばあさんたちの重ねた年月とまなざしに応えねばと強く思わされる写真の数々でした。


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