西方見聞録...マルコ

 

 

子育て修羅道フェーズ1の完結を告げるドヴォルザークの「新世界」(後) - 2008年04月30日(水)


 で、子どもが生まれてからのコンサート体験といえば、おKさんが2歳のときから法隆寺の会式の前夜に行われる「お逮夜法要」には毎年参上して南都楽所の奏でる雅楽と法隆寺のお坊さんの声明を聴きには行ってたんですが、あれは開放空間でやるので、子どもがぐずったらさっくり離脱できるんですよね。あれは結構楽しいです。法隆寺お会式の前夜と第1日目の昼の2回演るのでぜひ聴きに行きましょう。

 えーっとなんだっけ、そう、奈良女のスプリングコンサートでしたな。子どもらとあめでおさんにとっては雅楽ではないコンサート初めてです。大丈夫でしょうか?どきどき、もしおKさんが騒ぎ出したら!と用心して「おやこ室」というコンサート中子どもが騒いでも大丈夫な用のシェルターが斑鳩ホール大ホールの後ろのほうにあるんですが、そのおやこ室の入り口の間近の普通席に腰掛けます。

 そんで演奏開始。

 第1曲目はJ、ストラウスのジプシー男爵の序曲という、メロディがすごく楽しい15分ほどの曲でした。これは2児とも難なくクリア。

 第2曲目はビゼーの交響曲第1番。30分。第4楽章まであります。第2楽章でおKさんが「お外に出たいよう」とつぶやきます。しょうがないから席に座ったまま抱っこして「ねんねし」と曲に合わせてゆすってやるとあっけなく寝てくれました。第3楽章、お、1号さんもこっくりはじめた。おお、あめでおさんもちょっぴり目を瞑ってる。起きてるのはマルコだけか?と思ったらマルコにもあっけなく睡魔がやってきました。皆で寝てしまいました。でもおK以外の3名は第4楽章では復活してちゃんと聞きました。ビゼー17歳のときの習作、だそうです。美しい曲ですがちょっと眠いです。

 さてここで15分の休憩の後、最後の第3曲、大曲ドヴォルザークの「新世界」所要時間50分です。休憩時間の間に、奈良女オケが編纂してくれたコンサートのパンフレットを皆で読んで「アナリーゼ」をします。(のだめが授業でよくやってる曲の背景とかを理解するあれですな)とにかくドヴォルザークが50歳の頃、故郷のチェコから新世界アメリカのニューヨークナショナル音楽院の院長に就任するために、妻と13歳を頭に5人の子どもをつれて、移住します。25倍の給料を提示されたんで。そんで新世界の緊張、興奮、そして生まれる愛着、しかし底流に流れる抜き差しならぬ故郷への郷愁なんかが高らかに謳われた国民派音楽の決定版、みたいな解説をさっくり皆で頭に入れて「これは移民の心の叫びである。私ら家族のテーマソングです」とあっさり結論付けて、ハイ、演奏開始。

 新世界はわりと全編盛り上がり箇所も多く、ドラマチックに展開するし「遠き山に日は落ちて」、とかおなじみのメロディも満載なので2児ともココはぐずらずに最後まで聴けました。

 最後にアンコールがあってえーっと誰の作曲だったか聞いたけど忘れました、とにかく「仮面舞踏会、のワルツ」が演奏されました。これは5分。熱狂的な曲で「奈良女のみなさんご苦労さんでした」という思いがこみ上げます。練習大変だったでしょ。ゴールデンウィーク後半はゆっくり休養したりデートしたりしてね、と思いながら、無事クラッシックコンサート初鑑賞を終えた子どもとあめでおさんをねぎらいました。

 まあ、2時間のクラッシックコンサートが聴けるくらいに子ども達は成長したのだな。泥の中を這うような子育て第1フェーズは終了し、次は木の上でワイヤーアクションを戦うような精神戦を主戦場とする子育て第2フェーズか?と思いながら「遠き山に日は落ちて」を口ずさむマルコでした。



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