西方見聞録...マルコ

 

 

国策映画 - 2008年01月13日(日)

 ちょっと家から子どもを引き離す必要があって(家であめでおさんがめずらしくのた打ち回って仕事をしていたので)近所のワーナーマイカルシネマに2児をつれてルイスと未来泥棒という映画を見に行った。

 基本的に親が楽しくない子ども向けの映画は見ないのでピクサーとジブリの宮崎作品のみ私は映画に連れて行くことにしている。(ハリーポッターシリーズも親が好きだから可)

 で、私はモンスターズインク、ニモ以来ピクサーは面白いと思ってるんだが、ちょっと今回は鼻についた。前回のインクレディブルズも、おや?っと思ったんだが、(これは映画館には行かずにビデオで済ませた)なんつうのかな、テーマが「強いもの(成功者)をねたむな」ってところがね、なんかね。アメリカ様(の子ども向け映画会社)に言われちゃうとちょっと鼻白んでしまうのである。

 インクレディブルズは家族のスーパーマンがスーパーマンであることを禁止されてた抑圧を超えてスーパーマンである自分たちを取り戻す物語。今回はスーパー発明少年のルイスが落伍者である妨害者から自分の将来を取り戻す話。その妨害者に「自分の失敗を人のせいにしてねたむのは簡単だ。でも自分の人生をひきうけなきゃ」ってくだりがたまらなく鼻につく。ルイスは孤児だったりそれなりに孤独も自己不信もかかえているのではあるが[前へ進み続けよう!]という言葉を頼りに妨害者が与える試練を乗り越えていくんである。

 なるほどね、近代化に失敗したからって人をねたんでテロになんて走ってないで自己責任をしっかり引き受けて「前へ進んでいこう」ってわけですね。そのとおりなんだけどさ、失敗者の失敗の原因を作ったルイスに言われたくないよね。映画ではルイスがタイムマシンでちょいと過去に戻ってその失敗の原因を取り除いてやる場面が出てくる。アメリカ様もちょいと1次産品価格を下落させ続ける今の国際貿易ルールを何とかしてください、タイムマシンでも使って。
 


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