西方見聞録...マルコ

 

 

地味力 - 2007年10月30日(火)

 1号さん、深慮遠謀の女。

 授業参観なんか見てるとなんつうの?ワタシにとっては異文化を生きる女です>1号さん。授業参観で各都道府県の名前とその県庁所在地を挙げていくと言うアクティビティをしていました。みんなすごく元気に手を挙げています。しかし1号さん手を挙げません。授業に参加してないわけじゃないけど、手を挙げずにじっとセンセイと他の生徒のやりとりを見ています。そして神奈川のところでするするっとその細い手を挙げます。センセイは「お?1号チャン」と指します。1号は自分の故郷の県名とその県庁所在地を言います。あとで聞いたら「神奈川は私が言うべきだと思ったの。他の県は他の子が言えばいいし。手を挙げないでいて、そのあと手を挙げると本当に答えたいところで指して貰えるのよ」むーん。いつでもなんでもサル山の猿のようにはいはい手を挙げてた私には信じられない熟慮性。

 そういえば1号さんは運動会のクラス対抗リレーの座もそうやって手に入れたんでしたね。2年3年とリレー選手選考会には出ないでいて、4年で立候補してタイムトライアルして補欠ポジションの5位(4位までが正選手)だったけど万年リレー選手のAちゃんに出場権譲ってもらったんだったよね。

 そしてこの秋、郡の音楽会に1号の学年が学校を代表して出るのだけど、1号さんは楽器や指揮なんかはできないので「リコーダー」を熱烈志望。「だって鉄琴とかじゃおうちで練習できなくて詰まんないもん」とおうちでリコーダーをぴっぴこぴっぴこかき鳴らしてます。

 で、演奏前に学校紹介を語る役が選ばれることになり、立候補が募られ、オーディションが行われることになりました。時は遠足時、場所は奈良公園の飛火野で。そんな場所そんなときにオーディションをすれば集まるのはそういうことだいすきな子ばかりです。案の定、1号さん以外は指揮者の子、鉄琴の子、ティンパニーの子と学年オールスター勢ぞろいです。そのなかで1リコーダー担当で一番地味な1号がオーディションなしで、まんまと学校紹介役をゲットしました。

 なんつうの、人生の緩急のつけ方ってのを私は娘から学んだよ。そうだよね。いつでもがんばんなくたっていいんだ。いつもがんばってないからやる気を見せると思わず先生は指名しちゃうんだ。は〜私には見えなかったな「地味」のもつ力。


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