西方見聞録...マルコ

 

 

奔流の漏れいずる穴〜書評:ホワイトネイション(1) - 2006年03月02日(木)

久しぶりに不定期連載日記。春がちかずくと、なんか一言いいたくなるのか、あるいは抱えてる論文から逃避したいのか、自分でもよくわかんないんですけど。

ガッサン・ハージのホワイトネイションを読んだ。
オーストラリアを舞台に非白人の移民・アボリジニの人々に対する白人オーストラリアの支配幻想(ホワイトファンタジー)が如何に生まれ強化されるかを描いた本だ。昨今のオーストラリア、ヨーロッパやアメリカさらに日本で噴出するネオ・ナショナリズムの奔流の漏れ出る穴がどの辺にあるかがかなりわかりやすく解説されている。支配−被支配の幻想構築の仕組みは昨今のジェンダーバッシングに見るバックラッシュの構造分析にも援用できそうだ。

私はバックラッシュな人もレイシストも嫌いだけど、嫌いをキライと言っていてもなにもかわらない。スピノザが知識人に要請した「嘆くのでもなく笑うのでもなく、嫌うのでもなくしかし理解すること」(P.47)という姿勢を、本著の著者のガッサン・ハージに倣って採用して書いてみようと思う。

本書では大きく分けてオーストラリアの3つのタイプの人々によるホワイト・ファンタジー(支配幻想)の構築・強化の構造が物語られる。

1) 邪悪なナショナリスト
2) 善良なナショナリスト
3) 多文化主義者

そんでちょっと長くなりそうなんで以下3回に分けて日記アップじゃ。待て次号(いつになるかわかんないけど)。



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