バイカルチュラル(二文化保持者)の力 - 2006年02月12日(日) アフリカのマラウィから知らせが届く。 「青年海外協力隊員で、マラウイで活動中の山田耕平隊員(村落開発普及員)が、危機的な状況となっているHIV/エイズの予防啓発のためにつくったキャンペーンソングが現地で話題になっている。売り出していないにもかかわらず、マラウイのヒットチャートで1位になるなど、HIV/ エイズをテーマとした曲としては異例の広がり。このほど現地のレコード大賞にもノミネートされた。」 というニュース。 マラウィ側のスタッフと山田耕平さんがコラボレーションで唄ってる映像がこちらで見れて音も聞ける。 懐かしいアフリカ。 それを恐れることなく日本的な視点で切り取り、現地の人気歌手のムラカ・マリロさんやコンピュータ技術隊員、AV機器隊員の協力を得て、これだけ影響力の大きい仕事に持って行った。 すごいと思う。 14年前、私はエイズ知識を含むリプロダクティブ知識の普及を任とする隊員としてケニアにいた。内務省の人口局の組織の中でケニア側スタッフとの調整に走り回って2年間が終わった。組織のあり方を壊さぬように、ケニア文化の枠の中でしか動けなかった。 青年海外協力隊は基本的に支援相手国の公務員として着任するのでこの山田氏のような破天荒な働き方は当時の私には想像できなかった。 あの時の私は何を恐れていたのだろう。 せっかく異文化を背負っていったのに、2年間異分子としていくんだから思いっきり自分の異分子パワーを炸裂すればよかったじゃない。でも私は適応することにただもがいていたように思う。 山田さんの唄と懐かしいアフリカの大地の映像を見ながらただ涙が止まらない。異分子であることの力、二つの文化のハザマに立ったものが発揮する爆発力ってこういう事を言うんだなと震えた。 山田さんの活動に心から拍手を送りたい。そして一人でも多くの人にこの歌を聴いてほしい。 (ちなみにマルコが取り組んだ地味なエイズ知識普及活動の様子はこちらの本に4ページくらいでまとまっている。) ...
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