西方見聞録...マルコ

 

 

抹香臭い私たち―策略のあめでおさんと仏顔のおKさん― - 2004年11月21日(日)


 このごろ1号さんが「もう法隆寺ばっかり行くのがいやなの〜き〜っ」とのたまい、なかなか休日の法隆寺散歩にご同道してくれなくなった。ご同道してくれないからといって、1号さんを一人でおいとくわけにも行かないので、皆で法隆寺に行けない休日なんてのもこのごろあった。

 そんな状況を打破すべく、あめでおさんは一計を案じられた。

 「1号や、おまえさんもすでに七五三を終えられたので『法隆寺友の会』に入会しなさい。」

 『法隆寺友の会』とはご存知年会費3000円で法隆寺の拝観料が必要な部分入り放題、1000円相当の記念品がついてくる、年に数回『聖徳』という読み物が送られてきて、法隆寺が開催する年間のイベントの案内が受けられるというアレである。法隆寺の拝観料は大人は1回1000円なので3回拝観すれば元が取れちゃうという代物で、私たち夫婦は引っ越してきてからわりとすぐに入会し、すでに2回更新している。

 友の会にはさすがに『子ども料金』は存在せず、1回の拝観料が500円の子どもが入会するとうまみがいまいちなのだがほぼ毎週法隆寺に通ってる私たちにはやっぱりあるとお得なものなんである。
小学校に入学したら、1号さんも基本的に拝観料を払わなければならないのだが、友の会員子弟としてまあ今までは大目に見てもらっていたのだ。それをここに来てあめでおさんは1号さんを1人前の『友の会会員』にしようという。友の会会員は法隆寺のお宝(今年度は救世観音宝珠が印刷された会員証をもらい、拝観料が必要なスペースに入るときはそれを提示すると、フリーパスで入れるという仕組みだ。

 さて7歳児会員、誕生。おそらく最年少会員であろう。切符もぎのおじさんもさすがに幼い1号が会員証を提示するとかなりびっくりする。1号さんはその「おどろかれ感」がたまらない。

『ねえねえ、法隆寺に行こうよ〜』とまんまとあめでおさんの策略にはまる1号さんなのであった。

 拝観料スペースでは私たちは南向きで日当たりの良い大講堂前の石段にすわり、法隆寺カルトクイズをする。「法隆寺に松の木が多いのは何故ですか?」とか「真中が膨らんだ柱を何といいますか?」とか「金堂の釈迦三尊像を作ったのは誰ですか?」とか「聖徳太子のお母さんの名前はなんですか?」とか法隆寺にまつわる質問を適当にあめでおさんが出し、マルコと1号が競って答えるというクイズである。

 クイズをしていると、おKさんが飽きてくる。マルコはクイズをちょっと休んで、おKさんをつれて大講堂に入って講堂の本尊薬師如来像にお祈りをする。ちょっこり風邪気味のおKさんの平癒をお願いした。マルコが合掌するとそれを真似て、おKさんその仏陀の十大弟子の一人、須菩提のようなお顔で合掌し瞑目。そして、はっきりとした声で「せけんこけ、ゆいぶつぜしん!」(世間虚仮、唯仏是真: 現世のことは仮のことで、仏のみが真実である。蘇我氏との朝廷の主導権争いに敗れて半隠居状態になってた晩年の聖徳太子の言葉)と唱える。隣にいたアベックの男性の方がおKさんを振り返ってギョッとして見つめる。

まあこんな感じで私たちの抹香臭い普通の休日はくれていくのでありました。



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