西方見聞録...マルコ

 

 

危険なネタ - 2004年11月15日(月)

 地方と中央の格差の話ってのはなんだかいろいろと難しい問題をはらんでいて、過去このHPの掲示板でも大荒れに荒れたことがあった。れいこなさんの日記および
掲示板で今その話題が出ていて、慎重にみんながコメントをつけている。

 マルコとあめでおは東京人VS地方人なので、夫婦でこの危険なネタを対立的に内包している。あめでおさんは自覚的に東京帝国主義と戦うレジスタンス兵士だし、マルコはかなり自覚的に故郷の東京を愛している。夫婦でこのネタでもって会話する場合は人様の目がないことをいことにそれぞれの立場のむき出しの本音を炸裂させあい、結構えげつないけんかになることもある。

 地域格差(論争)が原因で離婚ってことになったら、ネタとしては面白いが、具体的なエピソードを人様に紹介できないのがジレンマだ(むき出しの本音がえげつなさ過ぎるので)。

 そんで付き合って15年、地域格差論争も15年の私たちが融和するためのツールとして用いている思考法を紹介しておく。

「中心と周縁」理論ってのが山口昌男やもっと根本的にはレヴィ=ストロースの構造主義なんかで語られているのだが、東京-地方の2元論をその他の2元論に置き換えて理解すると理解しやすい。

 例えばマルコはジェンダー的な問題にセンシティブなのだが、男女間の格差や不条理を都会-地方の格差・不条理に類推すると言う操作をする。

中心ー東京ー男
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周縁ー地方ー女

てかんじに。

 女性は教育の過程で教師の思い込みが投影されたり(ピグマリオン効果)、仕事をえても男性と同等には評価されず、男性と同様の評価を得ようと思ったら3倍有能でなくてはいけなかったり、いわいるたくさんのヒドゥントラックが設定されている。そういう構造的な不利をすっ飛ばして「女性で社会的に成功している人は少ない。よって男性の方が優秀だ」といわれたら「おいおい、もっと過程を見ろよ」といいたくなる。

 同様に中央に職場・教育機関を集中させておいて、都市には優秀な若者がたくさん居住している。なんてことを言ったら「その結果を生起させる原因の構造的不平等にふれてくれ」と言いたくなる。

 あめでおさんが地方の不利をマルコに説明する場合、しばしば「ジェンダーでいえばこういう状況にあたる」と解説しマルコの理解を得て、あめでおさんがジェンダーに対して無思慮なことを言えば、「あんたは今都会人にOXOいわれた伊賀上野の若者と同じような立場に私を置いたんだよ」と共感しうる形で不快感を伝えた。

 、、、とここまで書いてれいこなさん掲示板を見たらマルコより3倍わかりやすくさるとるさん「構造と個人」と言う投稿をなさってた。

 まあそういうわけでえげつない夫婦喧嘩はこのごろしばらくしていません。レヴィ=ストロース先生ありがとう。

 PS.この話題を掲示板で触れられる場合はくれぐれも慎重にお願いします。また本文中やばい表現があったら、お知らせください。削除も訂正もしませんが「気がつかなくってごめんなさい」と言うことはあるかもな〜、と思う。


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