西方見聞録...マルコ

 

 

西大和の遠洋航海者 - 2004年09月16日(木)


 わが町はもうすぐ周辺の7つだか6つだかの町村と合併して「西大和市」になる予定。合併協議会で市の名称は「西大和市」と「法隆寺市」が最後まで競ったけど、前者に軍配が上がった模様です。合併イニシアチブ取得合戦において、斑鳩町民、痛恨の敗北ですわ。市庁舎は王寺町が場所的にも持ってくと思われます。合併町村内では抜群の知名度と最大人口をかかえながら市の名称・市庁舎の位置の取り合いに負けるとは切ない限りです。

 まあ別に良いんですけど。西大和市民として雄々しく生きていこうじゃありませんか。

 さて1号さん小学校での友人関係もなかなか良好に卒無くやってるようです。1学期末の個人面談でも先生から「1号ちゃん友達関係は大変上手くいってます。本人もいろいろがんばってると思いますが。」とおっしゃられた通り、クラス内では「目立たないけどドン臭くない」と言うあめでおさん直伝の転校生のサバイバル術にのっとり(もう転校生ってポジションでもないとは思うけど)上手に泳いでるようです。

 平日は18:30まで学童なんですが、その学童で1号と一緒に一番遅くまで残ってるNちゃん、Yちゃんはクラスもいっしょ、出身保育園もいっしょです。学童保育所にお迎えに行くと、よく3人で創作ダンスを作ってくるくる回ってるのを目撃します。先週末はNちゃんが拙宅に遊びにいらっさりました。そんで今日の朝、Nちゃんが書いてくれた1号さんへのお手紙を発見しました。

1号ちゃんへ
1号ちゃんだいすき!1号ちゃんもNのことすき?1号ちゃんのことだいすきだから「おちゃけん(注:お茶犬のこと)」あげるね。シールもあげるね。プラバンもあげるね。くびかざりもあげるね。1号ちゃんもNにかわいいおてがみかいてね。ぷれぜんともちょうだいね。一号ちゃんのことだいすき!

 とまあ、熱烈の一言ですわ。そして愛の表現が物のやり取りに直結する幼い2人の友情にマリノフスキー著の「西太平洋の遠洋航海者」と言う本を思い出してしまいましたわ。これは太平洋に浮かぶ、トロブリアント諸島の人々が不定期に航海を行い、他の島の人々と交易をしながら生活を組み立てていく様子を活写したエスノグラフィーでございます。文化人類学学徒必読の民族誌の古典ですな。

 交易(を行うときはA島の人々は船でB島へ航海します。A島民にはそれぞれにパートナー関係のB島民がいるんですわ。そんでパートナーとの間で伝統的な腕輪(ムワリ)、首飾り(ソウラヴァ)がある一定のルールで交換(クラといいます)されます。B島民はC島民ともそういうパートナー関係を持って、贈り物は時間をかけてぐるぐるとパートナーの手から手へと移動していくんだそうです。そうした伝統的な贈り物のやり取り(=象徴的交換)によって確立された人間関係の上で安心して交易(=経済的交換)が行われるわけです。

 さて1号さんと、Nちゃん。物のやり取りがトロブリアント島民のように儀式化して整然と行われれば良いのですが、北米インディアンのポトラッチみたいにならないように母は祈ります。

 ポトラッチとは権力者同士がプレゼント合戦をしてお互いの威信と権威を獲得するために繰り広げられる饗宴で、最後には自分の財産ぶっ壊して「おれはこんなことしても平気だもんね!どうだおれは度量が大きいだろう!はっはあ!」というちょっとイカレタ民族慣行ですな。昔から一度北米で現場を見てみたいと思ってたんですが、日本で子どもがやっちゃいけません。

え〜と何の話だっけ?

追記:西大和市ではなくて西和市でしたわね。失礼しました〜(2004年10月7日)



...



 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home