西方見聞録...マルコ

 

 

マルコ、サイゼリアで泣く - 2003年08月11日(月)

 今日は昼過ぎからおKさんの抜糸後1週間目の検診でした。大変綺麗に仕上がっており、この分なら数ヶ月でわかんなくなっちゃうそうです。祝着。
 
 県立M病院最寄のバス停付近には品揃えのよろしい古本屋と激安ファミレスのサイゼリアがございます。おKさんの通院付き添ったものはもれなく古本屋で本買ってサイゼリアでお食事するという密かな特典がございます。

 あめでおさんが付き添いすると、「美味しんぼ」なんか買っております。マルコは本日、萩尾望都の「イグアナの娘」と清原なつのの「春の微熱」とその他文庫本2作を購入。サイゼリアにおKさんとともに参りました。サイゼリアの心地よい冷房でおKさんは病院での緊張もとけ、ぐうぐう寝てしまうので、マルコは眠るおKさんを抱いて読漫画。

 萩尾望都の「イグアナの娘」を読んでかなり泣けてしまいました。この話は、母と娘の間の同属嫌悪に端を発した何重にも傷ついた関係が主題なんですが、その同属嫌悪をイグアナというメタファーで描いています。

 イグアナの娘はTVドラマで菅野美穂と川島なお美の娘ー母ペアでやってましたがぜんぜん甘いです。菅野美穂があの美少女顔で主人公を演じて、時々鏡に映る菅ちゃんがイグアナなんて、へっです。原作では全編主人公はイグアナです。ときど〜き「母子以外の人にはこう見える」という注釈つきで人間の姿の主人公が登場しますが基本はイグアナです。菅ちゃんも全編イグアナのキグルミ着て演じればよかったのです。

 なんか熱くなっちゃいましたが、眠る1歳児抱いて、ファミレスで涙流しながら漫画読むとは私ってばナニやってんのって感じです。でもあめでおも私がお土産に購入してあげた美味しんぼを後方でむさぼり読んでるんだけどさ。




〜メモ〜 イグアナの娘を読んだことない人のために

ゆりこさんは長女を産んでドびっくり。生まれた子どもはイグアナだったのです。しかしゆりこさん以外はみんなかわいい人間の赤ちゃんだといいます。ゆりこさんはイグアナあかんぼのリカに愛情を感じられないまま、子育てをしていくとしばらくして次女が生まれます。こちらはゆりこさんにも人間に見えるのでゆりこさんは次女を溺愛していきます。長女リカは不当に冷たくあたられ、母の愛を得られぬまま成長します。(リカにも自分の姿はイグアナに見えています。)リカは大学卒業後さっくり結婚して家を出て実家に寄り付かないようにしているのですがしばらくして女の子をうみます。普通の人間の女の子が生まれるのですがリカは娘を愛することが出来ません。そのうちゆりこさんが50代の若さで亡くなります。リカはちっとも哀しくない自分にショックを受けながら母の死の枕もとに駆けつけ、死に顔を見てびっくり、母、ゆりこさんの死に顔はリカにだけはイグアナにみえるのです。

以下はファンタジー仕立てで語られるメタファーな物語。
昔イグアナ(ゆりこさん)は人間に恋をし、魔法使いに人間にしてもらい、人間と結婚しました。しかしイグアナの赤ん坊が生まれて、自分の秘密がばれてしまうとイグアナ赤ん坊を憎むのです。
と、まあ、自分を愛せないゆりこさんが自分そっくりなリカを憎むという同属嫌悪なのだという謎解きがあるわけです。リカはゆりこさんがなぜ自分を憎んだのかその理由を知り、自分はしっかり娘を愛そうと決意して物語は終わります。

 この物語は私のよく知る母親と彼女の第1子との関係と似ています。


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