先行上映を見てきました。以下、ネタバレですので、未見の方は要注意!
☆最初の感想
さてさて、海外でこの映画を見た人の感想文が、どれを読んでも歯切れが悪かった理由がわかりました。 うーん・・・・三時間が長かったですね。私は原作からの改変があっても、さほど気にならない方です。 その改変が映画を作るために必要であり、あらすじをなぞるよりも、 何を言いたいか、ということがはっきりさせることの方が大事。 第一作はそういう意味で、かなり上手に作ってあったし、 ボロミアとアラゴルンの対比でアラゴルンが決意にいたるまでが納得できるものでした。 『二つの塔』はストーリーがニつに分かれるので、一本の映画にまとめるのは難しい。 それにしても、この映画は何を言いたいのかわからない。 3部作の真中というのは難しいということはわかるけれど。 キャスティングは最高なのに、生かしきっていないよね・・・
同人関連でつっこみどころは山ほどあるし、アラゴルンの映像はいちいち色っぽかったりするけれど もっと大事なものが欠けている。ギムリの使い方とかねえ。 グリマはあんなに良いキャラなのに、どうしてあんな簡単に去っちゃうの。 リー様、うろたえるのは早すぎるぞ。ナズグルはあいかわらずかっこいい。 ファラミアもはまってるのにねー、ああ、もったいない。 エオウィンは写し方によって、きれいに見えたり見えなかったりするから、 もっと撮影に気をつかってあげればいいのになあ。 アルウェンに馬がかぶるのは、ちょっとどうかと思うぞ・・・ ミナス・ティリスのシーンはそんなこんなで、まじめに語る気にもなれない。
素材はそろっているのに、料理の仕方が下手。 一作目にあった(と私は思っている)原作のスピリットは消えてしまった。 どうしてこんなことになるんだろう。一作目が売れたのでプレッシャーがかかった? それとも、誰か重要なスタッフが今作からは外れてしまったとか? 実はSEEのDVDの追加シーンに、ちょっとちがうものが混ざっていたので あれ?と思っていたんだけれど、そっちの路線にいっちゃったかな。
☆良かったところも書こう・・・
導入部分とか、アルウェンとアラゴルンのエピソードの入れ方はおもしろかった。 このふたりの将来を原作既読者は知っているわけで、そのへんを押さえた 上手な演出だと思った。アルウェンが赤い服を着て、横たわっているシーンはなかったので、 これは『王の帰還』のラストになるのかな。このシーンまで見て初めて、アルウェンへの評価は定まるかも。 ヴィゴが川に流されていたけれど、ボロミアのシーンは無いのか!? と思ったのは私だけではあるまい。思えばショーン・ビーンの熱演があったからこそ 『旅の仲間』は一本の映画として、力をもつ事ができたのかもしれないなあ。 『二つの塔』では誰かの感情に同化するのは、エピソードが短すぎて難しかった。 フロドが支配されていくのはイライジャの演技が素晴らしいし、 エオウィンも押さえた演技で、檻の中の絶望を(アラゴルンを見て芽生えた希望もすぐに消える) とても上手に表現していたのに。ファラミアは立っているだけで、ボロミアに姿は似ているのに 内面は違うということを感じさせる絶妙な配役なのに〜〜〜ああ、もったいない。 ゴクリは、ちょっと不思議な感じ。意外とかわいい顔をしている。(イライジャに似せてあるような) ゴクリの中の二人の対比がおもしろかったが、CGの心もとなさも少しあった。 ショーンアスティンのサムは、原作のサムの一番大事な何かが欠けているかも知れない。 大地の中からしか生まれないダイヤモンドのような、固くて強固な意志のようなものを 感じることができない。時々目つきが良くないんだなあ。 エントもアイゼンガルドの洪水も、原作のイメージを壊さないものだけれど何かが足りないのが残念。 戦闘シーンも、その戦いの激しさと、攻防のラインがどこなのかわかりにくいまま 援軍が来たら、あっさり勝ってしまってもの足りないかも。 あああ、良かったところを書くつもりが、愚痴ばかりだな。
☆アラゴルンとレゴラス
私はカップリング的には(笑)アラレゴというのは全く興味がないので、 最初の感想には何も書かなかったけれど、このふたりの場面がやけに多かったような・・・ うーん、あんたたち何?(何と聞かれても困るだろうが) オーリもといレゴラスはアラゴルンのことをとても大事に思っているんだね。(爆) 第一作でアラゴルンとボロミアで描かれた「王となる決意」のラインを 引き継いで、「私も民とともに死ぬ」というセリフがでてくるのかな。 でも、あの状況で死ぬのは全く無駄だから、もうちょっと大局に立って 発言した方が王様らしいと思うけどな。 一晩たってつらつら思い返してみると、良いところもあるんだけれど それを引き立てるような、お話の輪郭がはっきりしないのがいけないのかな、と思った。 第一作にも欠点は多々あったけれど、それを補ってさらにいろいろ想像させる力があった。 今回はそれが欠けている。ほんのわずかの違いでありながらそれは大きい。 製作者達の中で、意見のバランスが変わったんじゃないか、と思うのはそこだな。 同時撮影だから、三つとも同じだったろうか。編集段階でどうこうできるレベルじゃないかしら。 そのへんを確かめに、もう一回見に行くんだろうなあ。 皮肉なことに、字幕にトラブルがなくなった本作では内容を吟味しなければ ならないようなセリフはあまり出てこないのでした。 (qualityの訳で、吹き替え版では問題があるようですが。 ファラミア理解は字幕の方が良いそうだ。) そのへんにも、密度の差が出ているかも。
☆死者の沼
原作を読んだ時に、とても印象深かった死者の沼のシーンは とてもよく映像化されていたと思う。確かこういう感じのイラストを アラン・リーの絵で見た記憶がある。 水の中に浮かぶ死者は、不気味だけれどきれい。 だけれど、あの水の中に引き込まれるのは怖いかも。 人が死ぬたびに蝋燭が一本灯るというのは、 なにかそういう言い伝えがあるんだろうか。 日本では蝋燭が消えると人が死ぬという話がありましたね。 私が見たのは『ひょっこりひょうたん島』のエピソードだったけれど、 もとは落語だったかしらん。
・・・などと、時間がたつにつれて、小ネタをじわじわと書いていくのでした。 そうそう、PJの子供や、ヴィゴの子供がちらっと出ていたりするのですが、 ヘンリー君、もうちょっとやせたら、ヴィゴのようにハンサムになると思うよ〜
☆フィギュア
昨日マイカルの売店で、いろいろとTTTのグッズを売っていたのだけれど 買い始めるときりがないし、本当にほしいかどうかもあやしかったので 何も買わなかった。パンフレットも買わなかった。(映画を見た後で気に入ったら買うの) でも、toy bizだったかの登場人物のフィギュアはけっこうかなり欲しかったかも。 アラゴルンがねー、もうちょっとかっこよかったら即買いだったんだけれど 顔がどうにもこうにも、ただのむさくるしいおっさんで、どうしても許せなかったのだ。 でも、レゴラスはよかった。そこそこかっこよくて、弓矢のパーツもそろっていた。 執政弟もよかった、ガン爺も白くてよかった。 一体1400円というお値段も、チョコエッグをあさってる身にはとってもお手ごろ。 全部買ってもたいしたことないと思ってしまう自分。 しかし、買ったものをどこに置いておくのだ。けっこうかさばるし、 ピアノの上に並べたら子供達にすごく嫌がられそう。 でも楽しそう。うーん。今度劇場に行って、まだあったら買うか? いや、買わなければそれで済むんだから、買わないか?
こんな感じ www.blister.jp/shop/shop_theloadoftherings.html
|