20世紀の初めに、東欧からアメリカに移民した一族を 祖父と孫の触れ合いを通して描いた映画。 時代の移り変わりと、家族の変化を丁寧に写し取っています。 地味だけれどしみじみと心に響いてくるものがありました。
お父さんが仕事の途中にケガをするところで、どきどきして、 子供がお父さんの幻影と歩くところでは、 ああ、死んじゃったんだろうかと思いましたが そういうシビアな展開にならないところも好感が持てます。 抑制が効いているけれど、甘くもない。
彼らのたどってきた道は、日本に住む私の時代とも重なります。 たくさんの親戚が集まって、たくさんのいとこ達と遊んだ お盆やお正月を思い出しました。 ささいなことで、仲たがいした親戚もいました。 三種の神器で、生活が変わり、核家族化がすすみ テレビが居間の中心になる。
それでもこの映画では、孫は自分の子供に祖父の名前をつける。 きちんとバトンは受け継がれていきます。 実際はそうはいかないことも多いでしょうけど、 来し方行く末を考えるきっかけになるかもしれない。
この時代を生きてきたたくさんのアメリカ人への いたわりの気持ちに満ちた映画だと思いました。
で、孫を演じたのはイライジャ・ウッドですが、 この映画でもガラスのような彼の目というのが、ストーリーの中心になっています。 ほんとにかわいいよ。おりこうさんだし。わざとらしくないし。 こんなかわいい息子がいたら、お母さんは子離れが大変かも。
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