大昔に『ホビットの冒険』を読んだきり、結局原作を読む時間がなくて、 予備知識なしに映画を見ることになりました。ネットの感想は読まないように避けつつ、 それでも吹き替え版を見るべしというご忠告に従って、レイトショーで見てきました。
おもしろかったです。でもちょっと変な面白がり方かもしれない。 映画の冒頭から、自分のバランス感覚を崩すような映像なのね。 それは、ホビット族と他の種族の大きさの違いのせいかもしれない。 居心地の良さそうなビルボの家の中で、窮屈そうなガンダルフ。 整っているのにアンバランスなフロドの顔。 とても美しいはずなのに、ちょっと私の趣味から外れているエルフ達。 全編を彩る邪悪な意志と闇と暴力。 じゃあ、一体、自分は何に軸足をおいて、この映画を見ればいいんだろう と自問自答しつつ見るうちに、それはだんだん、ひとつの言葉に収束していきました。 どこかで聞いたせりふですが「悲しみ」もしくは「哀しみ」みたいなもの。
フロド演じるイライジャ・ウッドの顔を写真で見て、映画を見る前から、 ジェルミに似ていると思っていました。映画見てる最中も思ってました。 アンバランスで、妙にきれいな所が似てる。 あんまりあの作品と結びつけるつもりはないけれど、指輪をはめた時に見える幻影は ジェルミの悪夢の感触によく似ている。 理由のない悪意の支配からどうやって逃げるのか?どうやって戦うのか? 仲間を助けることができるのか?
物語の結末は知らないけれど、この映画だけでもお話としてはまとまっていると思います。 クライマックスのボロミアの戦いは『シャイニング』のお父さんのようだわ。 絶望的な戦いの中で最後に光る物・・・というのは、キングが指輪の影響を受けたのかしら。
ちなみに一番かっこいいと思ったのは、アラゴルンでした。ミーハー? 原作を読むべきか?それとも映画を全部見てから手をつけるべきか? 盛り上がっているいろんなサイトを楽しむためには、読んだほうがいいかしら。
|