【復活!】ダイエットなDIARY
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2001年09月12日(水) 全壊

TVではアメリカの同時多発テロに関する特番ばかりである。
全壊するWTCビルの映像がどのチャンネルでも流されている。


こういう大事件がおきると、TV局、あるいはマスコミ人の本音や体制がよくわかる。

NHKのBSではむこうの報道番組を同時通訳で流していたが、何を言っているのかぜんぜんわからない日本語だ。
そのまま英語で流した方がよっぽどましだったろう。
きっと、夜中だったのでうまい通訳者を捕まえられなかったのであろう。
ボロボロであった。


深夜のTBSでは現地アナウンサーが衛星中継でつながっていた。

日本アナ「○○さん。爆発の現場には居合わせたのですか?」
海外アナ「いえ。残念ながら私は現場におりませんでしたが」

思わず本音が出てしまった瞬間である。

いくらなんでも「残念ながら」とはひどいのではないだろうか。




また、現場に居合わせたアナウンサーは、マイクを持って逃げながら、明らかに「やった〜!特ダネだ〜」という喜悦の表情が隠せないようだった。





局のモラルや信用の方が全壊しそうな勢いである。







そんな中、あくまでも埼玉県で発生したコンビニ強盗のニュースをやっていたTVS(テレビ埼玉)はさすがだ。



しかも、今日の午後にあった「常盤ニ番街」とかいうローカル情報バラエティ番組はもっとすごかった。

カメリア・マキという女占い師が、自分のコーナーで、なんとブッシュ大統領の運勢を占っていたのである。

しかも円形のパネルを用意してきて詳しく説明している。

隣にいる、女子アナと男子アナのふたりもなんともコメント出来ない様子だ。
相槌さえ打てない。
顔がひきつっている。




しかもそのカメリア・マキさんは、自分のコーナーをフルに今回の問題に費やすつもりだったらしく、今後のアメリカや日本の対応について意見を述べ始めた。


簡単に言えば「冷静な対応が必要なときである。これを第三次世界大戦にしてはならない。日本は戦争の悲惨さを味わい、その中で平和憲法を持っている唯一の国である。であるから、そういう日本としての立場からこの問題の対応を発言すべきである」


それは占いとは全然関係ない自分の意見である。

さらにボストンにいる友人とも電話で連絡を取り、独自にむこうの情報も仕入れているという念のいれようである。


静まり返ったスタジオ内で、思いっきりカメラに対して自己主張していた。

しかも、靖国神社へ首相が参拝するように圧力をかけるような政治家たちよりも、よっぽどまともな意見である。


占いは信じないが、今日のカメリア・マキはカッコよかった。


いや。日ごろがどうなのかは知らないが(笑)。



で、その後。

女子アナ「カメリアさん。では、きょうの運勢のまとめをお願いいたします」
カメリア「今日の最高の運勢はしし座の女性。愛情ゆたかになる傾向が」
女子アナ「私、実はしし座なんですぅ〜」
男子アナ「え?そうだったんですか?」
女子アナ「はい。カメリア・マキさんでした〜」
男子アナ「ありがとうございました〜」
女子アナ「それではコマーシャル」


と、まるで止まっていた時間が動き出したかのように、あるいは用意されていた台本に戻ったかのようにそのコーナーは終了し、何事もなかったかのようにCMへいったのである。




つまりローカル局にとっては、こんな大事件も単なる一コーナーの話題にしか過ぎないのである。


そして我が家でも、庭の桜の木に大量発生した毛虫の方が重大事件だったりする。


戦争というのはこんなカンジで始まっちゃうのかもしれない。



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