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津波と戦うサポーター - インドネシア - 2005年02月08日(火)

スマトラ沖の地震で、多くの人々が被害にあったのは、ご存知かと
思いますが、インドネシアの国内リーグクラブのサポーターは、
そういうことがあると、すぐに飛んでいって支援する文化があります。

そんなサポーター兼ボランティアとなった、アレマ・マラン
(プルシック・クディリのすぐ近くのチーム)のサポーターから
メールが届きました。

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オガ、募金してくれてありがたいよ。必ず役に立つものだと思う。

君は募金しか出来ないって言ってたけど、一番重要なのは、
君が他人を思いやってくれたことだよ。


さて、アチェの実情を書こうと思う。


僕がアチェに来た時、ボランティアの多くは泣いていた。

津波は凄まじい破壊力で、すべてを破壊してしまった。ほとんど
の建物がない状態なんだ。

ユニセフによれば、70%のインフラが津波で破壊されたとの
ことだ。



知っての通り、死体が街のいたるところに転がっている状態
だった。道路に、川に、そして椰子の木のてっぺんにまで
あったんだ。

津波の一週間後のその臭いと言ったら、もう思い出したく
ない。

それに僕は何体の死体を収容したか、もう忘れてしまったよ。
あまりにも多すぎてね。




僕は初めて死体を収容した時は、本当に気分が悪くなって
吐きそうだった。その死体は、赤ん坊だったんだよ…。

気分が悪くなると同時に、もう僕は泣きたい気分で一杯だった。
突然、ジャカルタの家に置いてきた僕の娘・息子を思い出してね。


その赤ん坊はひどい損傷を受けていて、全身が傷だらけ、
顔が顔と分らない状態だったんだ。

それに彼の体内からミミズみたいな虫が飛び出してきた。

なんとか吐かずに彼を収容したら、次からは僕自身しっかり
気を持って収容することができるようになった。

(とはいうものの、あのひどい臭いはこれまでの人生で一番
 イヤな臭いだけど)



あと、身元不明の死体は、1つの穴に入れられてた。
多分100体はあったと思う。




本当に色々な体験があって、ここじゃ書ききれないけど、一番
覚えていることは、何人もの水や食べ物を求めて泣きついてきた
子供達や、両親と離れて泣いている子供たちを難民キャンプに
連れて行ったことかな。


そうそう、僕は潰れた家から3人の子供と2人の女性を救出
したんだ。5日間も閉じ込められてたみんなが生きてたなんて、
本当に奇跡だよ!

でも、そのうちの子供と女性の2人が足と手を切断することに
なりそうだ。




アチェじゃ、多くのインドネシアのクラブのサポーターと
出合ったよ。アレマニアだけじゃなくて、ジャックマニア
(※プルシジャ・ジャカルタのサポータ集団)、そして
ボネック(※プルセバヤのサポーター集団)にもね。

ボネックはいつもは最低な奴らだけど、そこじゃ皆を助ける
為に協力した。みんなユニを着ずにね。




だから僕はセナヤンで行われたタイガーカップの準決勝、決勝を
生で観られなかった。

でも、バンダ・アチェの市役所でアチェの人々とボランティア
たちと一緒にTVで見たよ。



僕らは結果が本当に悲しかった。

アチェの人々の為に、インドネシア代表はプライドを賭けて戦い、
勝利して欲しかったんだ。

でも、インドネシアは次回、いい結果を残してくれると信じてる。
僕らには、ボアズが居るし、そして素晴らしい監督がいるからね。




ところで、アチェじゃ多くのサッカー選手が死んだんだ。その中の
一人、イルワンシャ(IRWANSYAH)はプルシラジャのキャプテンで、
94年から96年にかけてのインドネシア代表の選手だった。

僕らは彼の亡骸をまだ見つけることができない。


それに他の多くのプルシジャラ、PSSB、PSSLの選手もまだ
見つけることが出来ない。だから彼らは来期、リーグに参加できない
と思う。

でもPSSIは各チームを支援するとのことだ。




あ、この前、自衛隊(Japanese troops)のメンバーと話をして、
日本の多くの人がアチェの出来事に関心をよせているって聞いたよ。

日本じゃ「地震に負けるな」ってスローガンがあるんだってね。
そして他の日本人が、多くのスポーツで津波被害に対してチャリティー
マッチが行われるってことを聞いたよ。

僕はこの災害に関心を寄せて、助けの手を差し伸べてくれた日本人に
本当に感謝している。

僕らはもちろん違う人種で文化も違うけど、この点に関して
国境はないと思うし、同じ地球に住んでいる同じ人類なんだ。




ところで、僕は2月15日にはまたアチェに行くよ。今度は
インドネシア保健局がスポンサーになってね。

僕は浄水器に関しての専門家だから、彼らには助けが必要なんだ。
今難民キャンプではきれいな水を飲むことが出来るけど、浄水器を
直しさえすれば、状況はもっと良くなるはずだ。


アチェじゃ、多くの施設が破壊されていて、ひどいのは
学校、家、官公施設、病院だね。

多くの団体が子供達を学校に行けるように、今お金を集めているよ。


もし君の周りの日本人が募金したいなら、以下のところに送って欲しいと
伝えて欲しい。


1. Danisa MM, Jalan Pajajaran Raya 112 Perumnas III
  Banten, Tangerang hotline +62 21 5512162

2. BCA (bank Central Asia),account number 8990764356,
  holder PT Tri Arini

  Bank Mandiri cabang BSD, account number
  118.00.0467161.5, holder PT Tri Arini

Danisa MMはジャカルタにある、教育を受けられない子供たちを
支援する団体だ。彼らは今、バンダアチェに学校を作ろうとしている。


(※日本から送る場合、恐らく手数料が結構かかると思うので、
  当方で色々調べます)


取り急ぎ写真を送るよ。




それじゃ。
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ここではあまり語りません(語れません)が、僕なりの支援の方法を
考えてみます。


参考:Yahoo! > スマトラ島沖地震・津波 義援金受付先


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