英国人監督からみた、Sリーグとタイ人選手 - タイ・シンガポール - 2004年01月30日(金) Sリーグで2冠(リーグ戦、カップ戦)を制したHome Unitedが1月に 来シーズンに向けたタイ遠征合宿を行いました。 そのツアーの途中、チームの英国人監督が、タイのメディアに インタビューされた記事があったので、ちょいと翻訳。 Sリーグにはタイ人選手も多くいる(最近はベトナム行きの選手が 増えましたが)上に、それにタイ人のラブリーなイングランドのサッカーも かじっている人ですから、そりゃタイの人も興味あるでしょうね。 ----- ■タイ人選手は”欧州でプレイするに値する能力を持つ” Thais 'good enough for Europe' - ただ必要なのは、そのパイオニアたる人物である。 BY Wanchai Rujawongsanti 2004/01/25 タイ人選手は欧州でプレイするに値する能力を持つが、 それに可能にするのは、そのパイオニアたる人物である。 シンガポールのSリーグおよびカップ戦優勝チーム、Home Unitedの 英国人監督Steve Darby氏は、タイ代表メンバーでHome Unitedに 所属するSutee Suksomkitはそれが出来ると語った。 「彼は素晴らしいよ。ブラックバーンの(Brett) Emerton選手と 似たプレイスタイルだね。シンプルでいて、素晴らしい働きが 出来る選手だ」 Home Unitedは、チームのDF/MFであるSuteeを、シンガポール人 選手と共に2週間イングランドのプレミアリーグチーム、 チェルシーに最近トレーニングに送り出した。 「チェルシー側は、『彼と契約は出来ないけど、ディビジョン1で プレイするには申し分ない。素晴らしい左足を持ってる』と言ったよ」 かつてトランメアでプレイした Darby氏は、イングランドDiv.1のクラブ、 イプスウィッチで監督を務めるWillie Donaghy氏と連絡を取り合っており、 Suteeに夏から秋頃にイングランドで練習できるようなチャンスを与え、 契約に結びつくような働きかけを行った。 Craig Johnston, Harry Kewell, Mark Viduka, Emertonらが欧州で 名を残し、それをきっかけに豪州の選手達が欧州に渡ったように、 もし23歳のSteeがイングランドで衝撃を与えた場合、タイ人選手 は彼に続いて足がかりを得ることが出来るだろう。 タイ代表選手たちは、欧州でのプレイは可能だが、Manchester United, Arsenal, Chelseaは特別なクラブであり、プレミアリーグへの道は タイ人選手たちにはハードルが高いと、リバープール生まれのDarby氏は言う。 「彼らタイ代表選手なら、Div.1なら大丈夫だ。彼らに必要なのは、 その先駆者、パイオニアだ。だが、言葉の壁が障害になるだろう」 Suteeはその点においては心配ないだろう。Darby氏のおかげで、彼は今や 流暢な英語を話し、Suteeの妻は毎日彼に英語を教えているからだ。 今週、1人のタイ人選手が帰国した。イングランドのDiv1、クリスタルパレスに 所属していたFWのTeerathep "Leesaw" Winothaiが契約を打ち切られたのだ。 だが、彼はまだ若く、まだチャンスがあるだろう。 一方ピヤポンの息子、Pongpisuth "Tangmo" Pue-onはまだミドルズブラで 練習生を続けている。 Kiatisak "Zico" Senamuangは、タイで最も有名なストライカーの一人である。 彼は2,3年前に、後にSteve Bruce氏がチームを任されることなった ハダースフィールド・タウンで成功することが出来なかった。 「キャティサックはパイオニアになれたかもしれないが、 彼はおそらく選んだクラブと時期が悪かった。 そして、クラブのマネージャー達もね 多くの英国人は頭が固くて、アジア人にサッカーは出来ないと 考えているんだ」 Darby氏はアジアで経験豊富な監督であり、2002年の終わり頃に Home United監督に就任したが、その前はシェフィールド・ウェンズデイの ユースチーム監督であった。 彼はシンガポールで現在プレイしているタイ人選手達を高く評価しており、 また、特にSurachai Jaturapatarapongといった選手は尊敬もされていると いう。 ベトナム女子代表をSEA GAMES2001で金メダルにもたらした Darby氏は、かつてシンガポールでプレイしたKiatisak, Dusit Chalermsaen, Therdsak Chaimanらが印象深いという。彼らは全員、現在ベトナムで プレイしている。 またDarby氏は、現在タイでもっとも評価の高い選手の一人であるTherdsakが、 ベトナム行きを選んだことに関して、とても驚いたという。Therdsakの テクニックならば、もっと上のレベルのリーグでプレイできると考えていたと 彼は言う。 「私はタイ人選手11人のチームで監督をやりたいくらいだ。 彼らはテクニックがあり、良いアスリートであり、また 精神的にも強く、協調性もある。 前タイ代表監督のピーター・ウィズは、タイ人と仕事は しやすいと言っていたしね」 皮肉にも、ピーター・ウィズの息子、ジェイソンはHome Unitedで解任され、 後釜はDarby氏だった。 Darby氏は、元タイ代表選手のSurachaiがアシスタント・コーチならば、 タイ代表監督就任に興味を示しているとのことである。 彼はマレーシアのジョホールで監督した経歴を持つが、シンガポール リーグはよく組織され、外国人選手の質も高く、リーグは今後発展して いくと考えている。 Sリーグを地元で盛り上げる要因の一つとして、サッカーくじの存在 があげられる。この収入がクラブの収益となり、また人々をスタジアムに 誘うものとなっている。 「私は全面的に合法的なサッカーくじの存在には賛成だね。 これで試合がクリーンになると思うし、誰でもくじに参加できる。 お金が稼げる上に、ノミ屋へ貢献する代わりにクラブへ貢献できる んだから」 他にSリーグの魅力の一つとして、2年前から中国のチームがリーグに 参加している点があげられる。来期からは日本のチームも参加する。 これらのチームの選手達は、すべて本土からシンガポールに在住することになる。 中国のチームはシンガポール在住の中国人から熱い声援を受けており、 日本人のチームも来期からそうなることが期待される。 Sリーグ側はタイのサッカー関係者に、多くのタイ人が住む シンガポールにリーグの参加を呼びかけている。 Darby氏は、東南アジア地域での各国リーグをより盛り上げる 東南アジアチャンピオンズリーグのような物を作るべきであり、 それが代表チームを発展させるとも提案している。 http://www.bangkokpost.com/Sports/25Jan2004_sport24.html ---- ちなみにSuteeと共にチェルシーに留学にいったシンガポール人は、 Indra Sahdan Daudという選手であります。 この記事は一応、タイの新聞の記事でありまして、シンガポールリーグが 賞賛されている雰囲気はありますが・・・ うーむ、確かに合法くじも海外チームも、タイにないのでありますが、 それほどバラ色な記事は、現地シンガポールの記事ではあまり見かけ ませぬ。でも結構タイのリーグ事情から見ると、羨ましいところも あるのでしょう。 ま、タイ人選手はイイぜ!の下りはリップサービスも多少あるかも しれませんが、ダービー氏が認めていることは事実だと思います。 あと”Asians can't play football” ってのは、有名なフレーズ なんでしょうか。結構色々なところで見かけます。 ちょっとカチンとくるので、Europeans can't play Sepak Takrawとか 色々言ってやりましょう! ...
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