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10 minutes: きみがおしえてくれたもの - 2003年10月05日(日)

10月3日。

AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦。

BECテロサーサナ、アルアインに2−0で敗れる。


10月4日。

Jリーグディビジョン2にて3位の川崎フロンターレ、
首位のアルビレックス新潟と対戦。

観客数は2万1千人を超える(歴代1位)。



こんな緊張感に張り詰めたスタジアムに、俺は当日朝
髪の毛を切り(by スキカル)、青のTシャツおよび
タオルマフラーを持参して向かった。


「今日は絶対負けるわけには行かないっ!」

「アルなんとかに敗れた大連、そしてテロサーサナの
 仇は等々力で討つ!弔い合戦じゃー!」



いつもは着いたらすぐにアメリカンドッグを食いにいく
俺だが、今日の俺は一味違った。

J1昇格弁当(味はイマイチ)をほお張り、
ウォーミングアップを始めた選手がいるピッチを
一生懸命見つめる。


頼りにしてるぜ!アウグスト!


とか、いっぱしのサポ的なフレーズが頭をよぎる。



…くそ、オレンジ集団がまぶしいぜ。

等々力でゴール裏びっしりのアウェイサポなんか、
あんまりみたことがない。


すこし、ビビっている俺がいる。

不安がよぎるたびに、ビールを口に押しこんで
誤魔化そうとする俺がいる。



「だめだ、もっと現実を見なきゃ」


敵サポーターたちをしっかりと目に焼き付け様とした
その瞬間、信じられないものが飛び込んできた。






…こんなときに、なぜ?

なぜだい?

アウェイサポと交流を深める、ふろん太君・・・

君の真意がわからないよ!



今日は決戦だぜ?ふろん太君!

なぜおちゃらけているんだい?ふろん太君!



あ・・・っ!



ふろん太くん、君のメッセージ、読み取ったよ。

「どんなときも、普段のお前でいろ」

って、その背中で教えてくれたんだね。


ケ・セラ・セラ、ってやつだろ?
ふろん太君。


俺、俺…間違ってたよ。

いつもどおり、

「アメリカンドッグ、カラシ少な目」

って言ってくるよ!



…そして、キックオフのホイッスルが等々力に響き渡った。




...



 

 

 

 

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