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タイ国内の各リーグ事情 - タイ - 2003年06月02日(月)

謎の無記名さんが、BBSにタイの国内リーグに
チクリを入れてくださいました。

下部リーグのことは中々英語での情報がないので、
大変貴重な情報です。というわけで、パクりました。

この場を借りて、無記名さんには書き込みに感謝すると
同時に、無断転載をお詫びいたします。

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◎タイのリーグ構成


▼タイリーグ【トップリーグ】

 頂点はご存じ“タイリーグ”の10チームです。

(6シーズン前の創設当初は18チーム、その後長らく12チームで
 リーグを行ってきましたが、冠スポンサーがなくなったためか規模縮小) 

 たまに「プレミアリーグ」と呼ばれることもあります。


▼ディヴィジョン1【2部リーグ】

 タイ(プレミア)リーグの下に“ディヴィジョン1”があります。
 これは事実上の2部ですが、タイ人が大好きなイングランドのリーグを倣って
 「1部」と呼ぶようになりました。

 12チームで争います。


▼トワイ・コォー【3部リーグ】

 その下が“トワイ・コォー”と呼ばれる事実上の3部。「コォー」とは
 タイ語のアルファベットで2番目の文字なので、「Division B」と
 意訳されたりします。


▼トワイ・クォー【4部リーグ】

 その下が“トワイ・クォー”と呼ばれる事実上の4部。「クォー」とは
 タイ語のアルファベットで3番目の文字。


▼トワイ・ンゴー【5部リーグ】

 一番下が“トワイ・ンゴー”と呼ばれる事実上の5部。
 「ンゴー」は本来4部のはずですが、上記の通り一つずつズレて5部です。




各ディビジョンはそれぞれ成績の上位下位が入れ替えを行います。


ところで、この構成ではタイ語のアルファベットで最初の文字である「コー」
を使った1部“トワイ・コー”がありません。

1部(事実上の2部)は“ディヴィジョン1”という名称だからです。

リーグより歴史が古く由緒正しい“トワイ・コー”は、現在タイの事実上の
スーパーカップ的存在となってその名を残しています。



以上が今現在のタイ国内のサッカーリーグの構成です。

しかしタイではいつ、どんな事が起こるかわからないので、この状態が
いつまで続くかは誰にもわからないでしょう。同様に昔のタイサッカーも
このような構成ではありませんでした。




◎上記以外のリーグ


すでに書いたリーグとは別に、傍流(と言ったら失礼か?)ながら
重要なサッカーリーグがタイにあと2つあります。


“プロヴィンシャル・リーグ”と大学サッカーの“Uリーグ”です。


▼プロヴィンシャル・リーグ

□ プロヴィンシャル・リーグとは・・・

プロヴィンシャルリーグ誕生のきっかけは、いまひとつ盛り上がりに
欠ける国内サッカーのテコ入れのためという名目で、政府と一部の
政治家主導という特殊な形で99年から始まりました。

それまでタイのサッカーリーグはほとんどバンコクやその近郊のチーム
が主にバンコクで試合を行っていたので、地方には長期に渡るリーグ戦
のサッカーと縁がありませんでした。

(ただし“タイランドカップ”やその他のカップ戦はあります。)


そこで地域対抗のリーグ戦を作れば、マレーシアのように盛り上がる
のでないかと考えた結果リーグ設立になったようです。

また政府や政治家が絡んでいるところに地方振興や、何らかの利権の
思惑(私個人の推測ですが)もありそうな気がします。


□ 現状

かつてタイリーグやDiv.1のクラブでプレーしていたものの、全盛期を
過ぎプロヴィンシャルリーグのチームでプレーしている選手も何人か
います。 


逆にプロヴィンシャルで活躍して代表に入り、現在タイリーグの
バンコク銀行でFWとして活躍しているマニットのような選手もいます。


こういった選手の流れを考えれば、リーグのレベルがだいたい想像
できるでしょう。私はまだ一度もスタジアムでこのリーグを見たことが
ありませんが、TVで見るかぎり観客はあまり入っていないことが多い
ようです。どう考えても赤字のリーグだと思いますが、政府の補助が
あるのでしょう。


□ リーグについて

リーグは現在4度目のシーズンを迎え、タイ国内の12の県のチームが
ホーム&アウェイで、北はチェンマイから南はマレーシアに近いハジャイ
(ソンクラー県)のスタジアムまで、全国を股に掛けて戦っています。

試合は金・土・日曜に分散して行われ、TV放送もだいたい毎週金曜に
1試合、教育放送局の11チャンネルで夕方に生中継されます。

最終節は6月28日で、全国6会場で午後4時に一斉キックオフの予定です。 


第4回プロヴィンシャルリーグ順位(5月25日17節現在。全22節)

1位:ナコンサワン(勝点41)      
2位:スパンブリー(勝点33)      
3位:チョンブリー(勝点32)      
4位:チェンマイ(勝点25)       
5位:ナコンパトム(勝点24)      
6位:シーサケット(勝点23)      
7位:ウドンタニー(勝点23)
8位:ナコンラチャシーマー(勝点22)
9位:バンコク(勝点19)
10位:ソンクラー(勝点12)     
11位:スラータニー(勝点12)
12位:サトゥーン(勝点8)



▼Uリーグ(大学サッカーリーグ)

□ Uリーグとは・・

Uリーグはバンコクの大学の学生チームによるリーグで、6シーズン目が
2月7日に終了しています。

始めに12チーム総当たりのリーグ戦を争い、上位8チームにより準々決勝、
準決勝、決勝のトーナメントを行う方式です。

決勝はPK戦の末ランシット大学の勝利で02−03シーズンのUリーグ
チャンプとなりました。準優勝はバンコク大学です。


大学サッカーの歴史は古くからあり、それまで大学選手権のような大会が
行われていたものをタワチャイ・サジャクン氏(※)が仕掛け人となって、
オーガナイズをよりしっかりとさせた大学リーグを発足させたのがUリーグです。



□ 過去の大学サッカー

以前は大学サッカーにタイのトップレベルの選手がクラブと掛け持ちで出場
(そのおかげで大学に編入できるわけです)しているのもしばしばで、ジーコ
(キャティサック)もトゥラキットバンティット大学の優勝に大きく貢献
しましたが、Uリーグ発足以後タイリーグの選手はプレーできなくなりました。


また発足当初は参加チームに陸・海・空軍や警察の士官学校もあり、
アメリカのカレッジフットボールみたいでしたが、選手のレベルが劣り
Uリーグから脱落しました。


□ 現状

最近のUリーグはピッチの上のプレーよりも各大学応援団のチアリーダーが
マスコミ関心の的で、何かといえばチアリーダーの女子大生映像が定番です。

“ミスUリーグ”という応援団のミスコンもあり、過去の優勝者にはスポーツ
番組のアシスタントになった人までいます。

最近の五輪代表などにはUリーグで活躍した選手もチラホラ呼ばれたり
するので、そこそこのレベルはあるリーグですが、プレーヤーの影は
どうしても薄くなりがちです。

(ひょっとすると、私個人の関心がそうなっているだけかな・・・?)



※ タワチャイ氏について


このタワチャイ氏、近年のタイサッカー界でよく名前が出てくるキーパーソンです。


ジーコ、タワンなどを擁した“ドリームチーム”の生みの親と言ったほうが
わかりやすいでしょうか。90年代から突如それまで縁のなかったタイサッカー界に
関わり始め、私財を投じて95年予選時のタイ五輪代表チーム(通称ドリームチーム)
などタイ代表チームのパトロンになり、その結果としてFATの幹部になってしまった
人で、それだけでは飽きたらず常に選手と共にマスコミの前にその姿を置き、抜群の
知名度を得ることで今は国会議員にまでなっています。

ニックネームは「ビッグ・ホイ」。

タワチャイ氏が総監督を務めた96年末のアジアカップではタイ代表は惨憺たる
成績で、FAT内でも敵の多かった彼は責任を問われ協会から追われてしまいます
(後に復帰)。

しかしサッカーに関わり続けることが自分の生命線であることをわかっている
タワチャイ氏は、協会から遠ざかっていた97年、大学サッカーをFATの管轄下
ではないリーグとして発足させ、Uリーグが誕生しました。




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