東南アジアサッカー調査メモ...ogaoga2k

 

 

走れ ばか共 - シンガポール - 2002年10月16日(水)

シンガポールリーグ(S.League)は、イングランドのプレミアリーグ
人気に押され・・てな記事を結構目にするのですが、Sリーグ・アワ
ード発表の当日、シンガポールの新聞に4人のサポーターの姿が載っ
ておりました。

彼らはシンガポールリーグのファン・オブ・ザ・イヤーにノミネート
されていた4人。

ファンも対象にするんだな、Sリーグ。



んで、読んでみると・・うぅ・・泣ける・・。

みんなケナゲだよなぁ。

ちゅーわけで、訳してみました。
毎度、完璧な訳じゃないのでそのへんはご勘弁。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「 もし僕らがシンガポールリーグを
  応援しなかったら、誰が応援するんだ? 」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

アルバート・リム。

彼自身は普段、自分は物静かな方だと言う。

仕事が終わると、妻メイ・ペンの居る自宅へ戻り、2人で
食事をし、そして共に寝る毎日を送っている。

しかし、SAFFC(シンガポール・アーメド・フォーセズFC)
の試合がある日、自営業を営む42歳の彼は一変する。


 「試合の前日になると、もう待ちきれないんだ

  当日は、SAFFCのユニフォームに着換え、妻と子供に
  会ってからチョア・チュー・カンスタジアムに行く。試
  合開始の1時間前だ。

  もし私がもっと早くついていたら、サポーターとドラムを
  スタンドに持ってくるのを手伝い、そして他のサポーター
  と語り合っているんだ。

  いつも本当に、試合開始が待ち遠しくてたまらないんだ。」


試合中、リムは静かにしている - ほとんどの時間は。


 「私は審判に怒鳴ったり、相手チームを罵ったりはしないんだ。
  もし腹が立っても、外には出さない。

  でも、SAFFCがゴールをしたときは、もうメチャクチャ
  になる。飛んだり跳ねたり、叫んだり踊ったり。
  
  そのときは本当に最高の瞬間だね。」



リムは1996年からSAFFCのサポーターとなった。
日曜日のプライムリーグ(ユースのリーグ)を観戦するほどにも
なった。


彼に何故そこまで熱をあげるのか尋ねたところ、こんな答えが返
ってきた。

 「SAFFCの選手も、チームの運営スタッフも好きだからね。
  彼らはお互いを尊敬しているし、本当にファンを大切にして
  くれるクラブだから。

  それにシンガポールのリーグじゃないか。
  もし、僕らシンガポール人が応援しなかったら、
  誰がこのリーグを応援するんだ??」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「 もしシンガポールリーグが
  なくなったら、ストライキを起こすね 」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ジュロン・イーストスタジアムを訪ねたら、痩せて短めの顎ひげを
生やしているインド系の少年がいるはずだ。

チアリーダーの歌をリードし、踊り、ドラムを叩く少年だ。

彼は自称ジュロンの大ファン、T.モヴィンドランだ。


しかし、彼の熱狂振りを見ると、この16歳のブキ・チマ職業専門
学校生がわずか2年前にサッカーファンになったとは、とても信じ
られない。


 「僕のおじさんが、ジュロンの試合を観に連れて行ってくれた
  んだ。相手がどのチームか忘れちゃったけど、すごく興奮す
  る試合だったんだ。
  
  特にV. Sundramoorthy選手がお気に入りだった。

  だからサポータークラブに入ってからというもの、こんな
  調子だよ。」


試合当日に、彼はスタジアムに行く前に、仲間のチアリーダー達と
たっぷり1時間ほどミーティングを行う。


彼とチアリーダー達は、ドラムやチアホーンの状態をチェックし、
試合開始の15分前になるとドラム演奏とチアリーディングを始
める。

この状態は、試合終了のホイッスルが鳴るまで止まることはない。


モヴィンドランの夢は、彼の憧れの選手Sundramoorthyと、ジュロ
ンのチームメイトとして共にピッチに立つことだ。


 「僕らはチームを愛しているんだ。僕らがやっていることは、
  チームへの愛情表現なんだ。」


ある日シンガポール・リーグがなくなったらどうする?との問いに、
彼はこう答えた。

 「みんなを集めて、ストライキだね。それしかないね。」


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「 シンガポールリーグは生観戦が一番! 」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ヒダヤ・モハメド・アリ。彼女はタンジョン・パガーの試合のたび
に、声が潰れてしまう。

驚く事に彼女は32歳で、4人の子を育てている母親だ。
彼女は文字通り”絶叫”ファンの一人だ。


 「私、試合ごとに喉の調子がすっごく悪くなるから、そのたびに
  お医者さんに行っているの。

  先生はそんなに試合中に叫ばないように、って言うんだけど、
  そんなことできる訳ないじゃない。」


実際、タンジョン・パガーに対する彼女の愛情は凄まじい。今年の6
月、産後の療養で病院に閉じ込められた彼女は、10分ごとに夫を呼
んで、試合の結果を報告させたのだ。


ヒダヤのサッカー熱は1994年に始まった。同年クアラルンプール
で行われたマレーシアカップ決勝戦、シンガポールvsパハンを観戦し
てからだ。


彼女はそれからタンジョン・パガーのサポーターとなった。Sリーグ
が始まった1996年には、タンジョン・パガーがまだティオン・バル
・ユナイテッドと名乗っていた頃だ。

理由は、彼女の住んでいたテロック・ブランガ・クレセント地区が、
クイーンズタウンスタジアムに近かったからだ。


彼女は試合当日、他の熱烈なタンジョン・パガー・サポーターたちと
共に、早めにスタジアムに向かう。

彼女達はスタジアムを飾り付け、風船を膨らまし、そして指定席に
しるしをつけるのだ。


ヒダヤは、シンガポールリーグのTV観戦が嫌いだと言う。


 「TVからはスタジアムの熱気ってものが感じられないじゃない。

  シンガポールリーグには、90分間私たちが応援したり、叫んだ
  りする声がたくさん詰っているのよ。

  TVからじゃ、シンガポールリーグの熱気をちっとも感じない。
  だから嫌いなの。」


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「 シンガポールリーグなくして、わが人生なし 」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ジョナサン・ジェームス・ウォン。33歳・銀行員。
彼は5年間、タンパイン・スタジアムのスコアボード担当だった。


楽な仕事ではあったが、彼にとって大きな問題があった。
彼はタンパイン・ローヴァーズ大ファンで、その試合に集中するこ
とができなかっただ。


 「コンピューターがちょっといじれれば、この仕事はできるよ。

  でも、時々クラブのスタッフやレポーター、それにファンが
  『誰が得点したんだ?何分の得点だ?』と聞いてくるから、
  それで気が散っちゃうことがあるんだけどね。

  集中して試合が観られないから、今シーズンから仕事は辞め
  たんだ。でも、今となってはいい転職だったよ。
  
  今期はチームにとって、いいシーズンだったし、それに僕は
  試合を集中してみてられたからね。」


日曜日の試合、シンガポールカップで優勝したタンパイン・ロー
ヴァーズ。チームに対する彼の愛情は、シンガポールリーグが始
まった1996年に始まった。


 「僕はタンパインに住んでるから、この地をホームにするチー
  ムに出来る限り愛情を表したいんだ。」


ウォンはタンパイン・ローヴァーズのサポータークラブ設立者の
一員で、副会長でもある。


その後、彼とそのメンバーは昨年、複数の私設サポーター集団を立
ち上げた。

 「ファンは、好きなサポーターのところに行けるようにしたん
  だよ。」 


彼とそのメンバーは、月に100ドル、チアホーンや黄色いレイン
コート、そしてクラブ・ステッカーに費やす。

 「お金は問題じゃないよ。チームをサポートすることが楽しい
  んだ。」


 「シンガポールリーグなくして、わが人生なしってとこかな」


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
http://straitstimes.asia1.com.sg/sports/story/0,4386,149123,00.html?
http://straitstimes.asia1.com.sg/sports/story/0,4386,149090,00.html?
http://straitstimes.asia1.com.sg/sports/story/0,4386,149091,00.html?
http://straitstimes.asia1.com.sg/sports/story/0,4386,149127,00.html?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


>彼女達はスタジアムを飾り付け、風船を膨らまし

僕はこの辺で、涙腺がウルウルしてしまいました。うう・・。


ちなみに最後のウォンさんが受賞しました。


つーか、みんな大バカだよな。愛すべき大バカ。

ワールドカップは世界のバカの祭典で、
アジアカップはアジアのバカの祭典だよなぁ。
タイガーカップは東南アジアのバカの祭典。

そして各国のリーグは、各国のバカの祭典だ。


僕はJリーグの、そしてJリーグ以前からスタジアムに訪れ
続けた日本のバカどもを心から尊敬する。


僕に尊敬されてもなんともならんと思いますが、
とにかく全世界の各チームサポの方には頭が下がります。

はい。


...



 

 

 

 

もくじ
前の日記  次の日記




メール ホームへ