小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
 + 過去 + 目次  + 未来 +
2001年04月24日(火)
兄の夜明け

というか、ただの朝。

おかんが田端に住んでる兄にわたすものがあり、
同時に受け取るものもあると言うのである。
「あんた、ちょっと会ってきて」
なんか変。

で、夜。兄貴と電話して気の乗らない待ち合わせ交渉。
おかんは、秋葉原で待ち合わせにすれば絶対来る、と、
かなりの自信をもって言い張るのである。
でも私は、定期があって楽な東京駅がいい。

受話器のむこうで兄貴は言った。
「田端まで来い」
田端は東京駅から山手線にのりかえて、
上野のほうへずっと行ったところにある。
なんか変。

必死に抵抗すると、兄貴は言った。
「じゃあ秋葉原にしよう」
「なんでだよ。秋葉原は定期つながってないからやだよ」
「だってさあ、その日休みだから、
 そのまま俺が遊びに行けるところがいい
「ばかな! 東京駅までがんばれよ!」
「え〜〜。人っていう字はさあ……、ていうか空って青いから、
 じゃあそうだ新宿まで来い
そう。変。

というか、東京駅までの数駅の移動を、
そんなにまでして拒む、うちの兄貴ってなに?
何がそんなにつらいのか、実の兄ながらわけわからん。
それでさっかはがんばった。
「秋葉原まで切符買って、東京駅にくればいいじゃんか。
 それで改札の中で会って、君は秋葉原に行けばいいじゃんか!」

兄貴は黙った。
こいつ。
「おお……」
驚いてやがる。

兄貴は喋った。
「新しい時代の幕開けってかんじ?」

こいつひょっとして、ものすごく頭悪い?

 + 過去 + 目次  + 未来 +
 noted by さっか