そういえば友人・バカにスーファミを借りてから、もう１年半になる。
「邪魔だから返す！」って言ってんのに、
「邪魔だから返さなくていい！」とか言いやがって。
「とにかく返すってば！」とか更に迫っても、
「嵐っていいよねー。あ〜らし〜♪」とか、四方八方に逃げやがる。


先日、小姐のバイトしてる店で、ベーグルをもぐもぐ食べてたところ、
店のガラスの外に背広姿の男たちが１０数人、突如あらわれ、集結した。
男たちはぞろぞろと声もなく、なぜか一列に並びはじめる。
一般人ふうなので、一層ふつうに怖い。
このままこいつら映画みたいに、このガラスに銃を向けて乱射したら……
がしゃあーーんとかいってガラスがこなごなになったら……
私の役は、「ベーグルを食べる女・１」？
セリフ「きゃー（机の下にふせる）」
端役でも私がんばります。覚悟はできています。
さあ、ボス！　撮影開始！


一人のメガネが指示をして、男たちは荷物をあさった。
でるか、アサルトライフル。
ばさり。
巨大な白い垂れ幕が広がった。
「中国に文房具を送ろう　ＪＲ」


なんてことだ、平和の魔の手がもうこんなところまで！？


おちついてみると、ベーグルがうまい。


しかし一列になった１０数人の鉄っちゃんの列のもとへ、
募金をしようと思ってるような心の穏やかなひとたちが、
どうしていそいそと歩いていけるでしょうか。
見てると、ばーさんが一人、その死を覚悟で箱へ近づいて行く。
あと５歩…４歩…
ああ、ガッデム、見てられないよ！　神様、勇気をください！
ばーさんは、手をのばした……それは、千円札だ！！
いけ、ばーさん、ガッツだ、ばーさん、そこだ、
パンチ、フックだ、アッパー決まったーー！！　ばーさん！！
（一部御幣がありますがご了承ください）
ばーさん！！
ばーさん！！
ばーさんは千円を寄付した！！
ブラボー！！
ベーグルを食いおわった。
今日も平和だな……。


しかしそのばーさんの動きを、
一文字だったはずの列を「Ｃ」の字にしてまで、
つつみ込むように観察しなくてもいいだろうと思うんだよ。
男たちふつうに怖い。


しばらくすると、またメガネが指示を出した。
男たちは二手に展開し、道の両側にびしっと並びなおす。
ふむう、少佐、見事な占領作戦だ。
これで通行人は不意に誰かに狙撃されることなども心配せず、
人の壁に守られて歩いていくことが出来……
……。
募金できる。


コーヒーも飲み終わった。今日も平和だ。
レジにあねご（小姐）がいた。今日もあねごだ。