ビー玉日記
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2006年02月25日(土)  フィギュアスケート

遅ればせながら、トリノオリンピックのフィギュアスケート。
やっぱり女子シングルは誰もが注目してた。
私も一番好きな競技なので、ショートプログラムもフリーもエキシビジョンも全てばっちり録画した。
荒川静香さんは女王の貫禄十分だった。
完璧。文句なしに金メダル。
努力は誰でもしている。レベルもほとんど同じ。
そういう中で誰が勝つかと言えば、演技をするその瞬間に肉体も精神も最高の状態にもってこられた人。一つでも多く難度の高い技を成功することのできた人。
恐ろしく厳しい世界だ。

私のイチオシは村主章枝さん。
彼女の演技を見るとなぜかいつも泣ける。
何がいいのかと言えば、この人は選曲と振付のセンスがいい(自分の持ち味を最大限に生かしている)のと、曲の世界に観客を引き込む表現力がずば抜けている。
TVで観ていると、他の選手の時は解説者もジャンプや難度の高いスピンに注目して結構饒舌なのに、村主さんの時は基本的に余計な発言を差し挟まない。観客は、静かなところでは息を呑んでじっと見つめていて、盛り上がるところでは手拍子や拍手をする。
他の選手とは何かが違うのがTVを通してもよくわかる。

今の採点法には純粋に「よかった」という人間の感覚を盛り込める要素がないから、村主さんのように難度の高い技を見せるより表現力で勝負する選手には高い得点が出にくい。
ファンの中にはやっぱりそこに不満をもっている人は多い。
おそらく以前のようにArtistic Impressionの得点が技術点と同じように重視されていたら、彼女はメダリストの一人になっていた可能性があるかもしれない。
だけど、メダルを獲るだけが全てじゃない。
彼女の演技をいいと思う人、彼女の演技をもっと見たいという人がたくさんいる。
女王・荒川静香が高得点を出した直後に滑ったにも関わらず、会場ではスタンディングオベーションが起きた。
日本からTVで演技を見て胸がいっぱいになった人が大勢いた。
それが本当の評価だと思う。

それにしても。
ようやく四年の区切りがついた直後に、次のオリンピックへの決意を急かされるなんて、スポーツ選手って大変。
私だったらものすごい感じ悪い選手になると思う。
「ゆっくり考えたいからほっといてください」とか言っちゃいそう。


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