| ビー玉日記 | きのう もくじ あした |
2005年08月13日(土) 生き抜くということ 珍しく真面目な話が続いてますが。 土曜に家にいるのが珍しいこともあって 今日の夜はTV漬けになってしまった。 興味深かったので記録。 まず、一つ目の番組から。 「人はなぜ逃げ遅れるのか」 去年の年末のスマトラ沖地震を例にとり、 なぜ人間は逃げ遅れるのかを説明していた。 スマトラ沖地震では、あれだけ犠牲者が出たにも関わらず、 動物の死体はほとんどなかったのだとか。 つまり、人間は人工的に作り上げた環境に慣れきっていて、 野生の勘を働かせたり少しでも危険を察知したら逃げる という行動を起こさなくなっている、ということだ。 実験で、火災報知器の音、消防車のサイレンを聞いた時、 人がどんな反応をするのか、をやっていた。 驚いたことに、結構みんな動じない。 しかも集団でいる時には周りが動かないと誰も動きださない。 部屋の中に煙が入ってきた時ですら立ち上がって 外の様子を見に行こうとしなかったりする。 でもこれ、正直私も経験がある。 今住んでいるアパートの一階が飲食店だった頃、 廊下の火災報知器が突然けたたましく鳴り出した。 下がお店なだけに充分有り得ると思って玄関に行って、 とりあえず覗き窓から外の様子を見てみた。 煙や火は見えない。ただベルの音だけが響いている。 誰も出てこない。 あんまり鳴り続けるので後でもう一度見に行ったけれど、 やっぱり外の様子に変わりがないので、誤作動か点検か、 と思ってやり過ごしてしまった。 本当に火事だったら、間違いなく焼け死んでいたか煙にまかれていただろう。 地震なんかでも、日本人は、特に東京の人は慣れきってるから、 多少揺れてもそれほど動じない。 「あ、またか」で済んでしまう。 でも、ほとんど体験したことのない外国人は ほんの少しの揺れでもびっくりしてすぐに立ち上がったりする。 本当はそれが本来あるべき行動なのだ。 びびってると思われるのが嫌だからって逃げ遅れちゃしょうがない。 生き延びたいなら、少しでも危険があるなら ぱっと行動に移さなきゃいけない。 危険に対してもっと敏感になろう。 それにしても、災害心理なんて研究があるのね。知らなかった。 2つ目。 終戦後30年間フィリピンのジャングルの中で戦い続けた小野田さんの半生を描くドラマ。 現地の住民の言葉、日本からの捜索隊の言葉、ラジオ番組などからどうやら戦争は終わったらしいと薄々感じていても、それを敵の陽動作戦だと信じて戦い続ける。 上官からの次の命令が無い限りは任務を終えて日本に帰れない。 頑固者だとか、わからず屋だとか、そんな風に思うこともできる。 こういう人が職場にいたら融通が利かなくて面倒そう、なんてことも考えた。 でも、小野田さんの考え方は間違っていない。 上官からの命令により任務としてそこにいる以上、次の命令がなければ勝手にその地を離れられない。 それは正しい判断なのだ。守るべき規律を守っただけにすぎない。 身をもって「戦争とはこういうものだ」と教えてくれたのだ。 何かを強く信じなければ、よりどころとする何かがなければ、 孤独の中で生き抜いていけない。 何のために生きるのか。 目的がなければ生きようとする意志を保てない。 生きていくって厳しいことだ。 |
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