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2005年06月19日(日) 父と私(前編) 珍しく父から電話があった。 うちは父娘の会話というものがほとんど成り立たない。 お互いに自分にとって何か利益がない限り話題がないという非情な関係である。 私が家に電話する時の90%は母に話があってかけるので、大抵の場合、父は取り次ぎ役に徹する。 逆に父が電話をしてくるのは何か私に頼みごとがある時に限定される。 実家のノートパソコンがついにおかしくなり業者に見てもらったら、リカバリーをかけるしかない、と言われたそうだ。 このパソコンは、父が会社の偉い方の奥さんが飽きていらなくなったものをもらってきたもので、WinXP主流の時期に入ってから(たしか2年くらい前)入手したのにOSはWin2000で、なんだか最初から動作が遅かった。 (だから最初から投資を渋るとろくなことにならないと言ってるのに。ぶつぶつ。) 母が頻繁に「フリーズドライ」と言ってSOSの電話をかけてくるので、次に行った時にちょっと見ておくか、と思ってはいたが、間に合わなかったようだ。 父の用件は、リカバリーをかけると中のデータが全て無くなってしまうらしいが、年賀状の宛名に使う住所録のデータが無くなるのは困るのでどうしようか、という相談だった。 私のPCを探してみると、年賀状のデータが見つかった。 元々私が作ってここで印刷したので、家のPCに入っていたのはバックアップにすぎなかった。 そう説明すると、父はほっとした様子だった。 ただし、母の仕事のデータはそのノートPCにしかないはずなので、それはバックアップ必要じゃないの、と言うと、ああ、そうだな、とほとんどどうでもいい感じで父はうなずいた。 結局自分のデータさえ無事ならいいのか。と呆れる。 まったく関係のないことながら、緊急時は父を頼ってはならぬと改めて自覚した。(笑) 夜中に地震が発生すると子ども部屋に駆けつける母と一人でドアに向かう父。 子どもの頃の記憶と変わらぬ父の本性を見た。 家ではそのように信頼性のあまりない父だが、 自分が社会に出て働くようになって、父と同世代の方々を見るにつけ、社会人の先輩としては尊敬している。 一つの会社でずっと働き続けることは私にはできなかったことだし、自分の仕事に誇りをもって働いているなと感じる。 ずっと営業畑にいるので、たまには嫌な客だっているだろうけど、仕事の愚痴を家で言ったことはないし、毎日毎日同じ時間に早くから会社に行って時には寛大に人に奢って飲んだりして帰ってくる(カードの支払い金額のことで母はキレるけど)。 そうやってずっと働いてきたのは、仕事が好きということの他に、やっぱり私たち家族を背負っているから、ということもあったんだな、と今更わかった。 学生の時までは家での父しか知らなかったので、父の偉さやありがたみはわからなかった。 やっぱり自分で働いてみないとわからない。 口の悪い娘ですが、今まで育ててもらって、学校も行かせてもらって、感謝してます。 |
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