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マンガの森 - 2003年04月19日(土) 今でもマンガの森ってあるんだろうか。学生時代、飯島愛がCMに出ていたマンガ専門の書店だが、JR高田馬場駅戸山口を出るとあったマンガの森は、やはり危なさと言うか危うさを醸し出していたと思う。普通のマンガは普通の本屋で買えるしな。 クソ忙しくて仕事以外に時間が取れない(時間があったら飲みに行く)時に限って、出来もしないことを連発しようとするとかってないか?例えば、本を買うとか。最近買った本は深夜特急を書いた人間が老成するとこうなると言うことでまあまあ話題の「一号線を北上せよ」と、アフガン関連書籍。何を今更と言う感じであるが、私は大体流行に後れて流行ったものを見て、その流行が素晴らしかったことを認識するタイプだ。 何か関係ない前置きが長くなりそうだからさっさと本題に入るが、本日も目に留まった司馬遼太郎の「街道を行く」シリーズの沖縄編と長崎編を買い、さらにモーニングに連載中の「ブラックジャックによろしく」を買ってみた。 現在、私が全巻(ほぼ全巻も含む)持っているマンガは、以下の通りである: アドルフに告ぐ(手塚治虫) ブラックジャック(手塚治虫) コブラ(寺沢武一) 烏天狗 カブト(寺沢武一) ミッドナイトアイ ゴクウ(寺沢武一) 課長島耕作(弘兼憲史) 部長島耕作(弘兼憲史) 取締役島耕作(弘兼憲史) バガボンド(井上雄彦) 結構あるが、社会人になってから揃えているのは島耕作とバガボンドである。両方ともモーニングと言うオッサンマンガ雑誌に連載されているものであるが、私の認識の中でオッサンマンガ雑誌で最近最も質が高いような気がするのはモーニングで、これは小学生時代の少年ジャンプ、高校生時代のマガジンやスピリッツに匹敵するものがあると思う。第二次団塊である我々がこれらの漫画産業を担うほど既にオッサン化しているかは分からないが、私の友人なども、この辺の漫画(島耕作)などが何故か家の本棚に座っていると言うケースは多いようだ。 で、ブラックジャックによろしくであるが、これは手塚治虫のブラックジャックからも分かるとおり、医者の漫画である。と言っても、春夏秋冬コートを着た継ぎ接ぎだらけの無免許医のマンガではなく、名門私大医学部を卒業したばかりの研修医の奮戦記である。第一回目の連載をモーニングで立ち読みしたが、以降、結構話題を読んだ漫画になっているようで、モーニングでも常に冊子の前半部にて連載がなされている。人気があるのだろう。 勿論、この「ブラックジャックによろしく」に描かれている登場人物たちは、実際の世界に比べるとかなりフィクシャスな部分があるかと思う。ただ、月給3万8千円とか、睡眠時間3時間とか、将来は金持ちになって、例えばフェラーリ乗り回すレベルまで到達する医者の、まさに医者の卵とは思えないほど、徹底した下積み時代を積んでいるのは現実としてある。マンガの登場人物が抱いている複雑な心境も、経験が浅いことに起因する精神の不安定さを描いていると思う。 実は同じ境遇にいるのが私の上の従兄弟である。父方の従兄弟だが、彼らは二人兄弟で、上の従兄弟は漫画中の斉藤英二郎のように、一昨年都内の名門私大医学部を卒業し、その大学病院で働いている。大学病院は都内に大病院としては3つの病院がある。最初に配属されたのはその内の一軒、下町にある第二病院的な病院である。 一番印象に残っているのが夜勤で、夜中に病院に担ぎ込まれる例で圧倒的に多いのが急性アルコール中毒でぶっ倒れた輩らしい。私は急性アル中なんてなったこと無いから(最早一気だとかは最近しないし)、病院でどうやって処置するかを聞いたのだが、要するに処置は血中のアルコールを外に出すことで、 「点滴を多く打って小便を大量に出させることで殆ど解決する」 らしい。これが次から次へとやって来て、夜勤病院何だか野戦病院なんだか分からないことになるらしい。 事故で運ばれるケースも多いらしいが、これも結構大変らしい。患者が痛みで結構暴れるらしく、取り押さえるのに難儀する場合があるようだ。これは急性アル中患者にも見られるようだが。 朝、ボロボロになって帰宅し、泥のように眠るが、また翌日も病院に出なければならない。ハッキリ言って体力が無ければ絶対に出来ない仕事で、多分私では無理だろう。 この一家は医者一家で、親戚も医者ばかりである。従兄弟の従兄弟に当たる人は、現在の専門が救急医療と言うほどのもので、毎日の救急車受け入れ台数が何台(以前親戚が集まってこんな話をされて、親戚医者一同が驚嘆の声を上げたが、当然その中で唯一医者のいない我が家の人間はそのインパクトは全く不明だった)で、昨日も事故で超重症と言う患者の対応をしてきたらしい。こちらは私の従兄弟以上のインパクトで、殆ど不眠不休で緊急医療に当たるという、人命助けはこっちも命懸けと言うサバイバル振りを発揮している。 医者って、金持ちでスマートな印象が強い職業だけど、特に若いうちは大変だというのが、従兄弟を見ていて思うことである。で、ブラックジャックによろしくに話は戻るが、まあこんな大袈裟なシーンは無いのかもしれないけども、取り敢えず業界の文化については確かにあるという場面があるマンガじゃないだろうか。 オススメ。 -
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