蹴文修記

2005年12月03日(土) アイシテル、ワスレナイ

Jリーグ最終節、川崎×G大阪。
等々力競技場はほぼ満員の観客。

フロンターレは、ガンバに撃ち合いを挑み、
見事に玉砕してしまった。
今シーズン、ガンバには何度も撃ち負けている。
それでも自分たちのサッカーを続けた。
芸がないと言われようと、これしかできない。

それにしても今日のガンバはよかった。
2位に落ちてプレッシャーから解放されたのか、
好調時のキレが戻ってきていた。
それはガンバだけではなく、鹿島も浦和も同じ。
要は、勝つべきときに勝てるチームがいなかったってこと。
最終節を前にして首位に立ったセレッソも勝てなかった。

優勝決定に沸くガンバの選手とサポーター。
目の前で決められたフロンターレの選手とサポーター。

優勝を決められたのはもちろん悔しかったけれど、
何度も挑んで何度も追い付いて、それでも突き放された
ことが悔しかった。試合を観ていて胃が痛くなったのは
初めてだった。

来年、優勝してやる、なんて大きなことは言えないけど、
ガンバに撃ち勝ってやる、と心に刻み込んだ。
長年越えられなかった鹿島の壁を、今年は越えることが
できた。順位はさておき、ガンバに撃ち勝つことで
この無念は晴らされるかもしれない。
浦和にも勝たなきゃな。清水にも・・・。

選手たちはもっと悔しいだろう。
さっさと引き上げてしまったけれど、スタンドの下で
優勝騒ぎを目の当たりにしていたはず。来年は頼んだよ。
一時は5位まで上がったものの、結局は8位でシーズン終了。
勝ち点は50に到達したけど、勝ち試合数は負け数をわずか
ひとつ上回っただけ。
昇格組にしては大健闘と言われて満足なんかしてないよね。
しっかりとチームを作って、また熱い戦いを見せてほしい。

試合終了後のセレモニー。
シーズン終了の挨拶と引退する、チームを去る選手の別れの言葉。

ベティの引退には驚いたけれど、彼なりに川崎で選手生命を
終えて、満足しているのかな。若手も育ってきたし、現役選手と
してよりも、チームに貢献できる道を見つけたのかもしれない。

相馬は本来ならば、川崎で引退するような選手じゃない。
日本代表での活躍や貢献度から考えれば、引退試合とか
協会からの表彰とかあって然るべきだと思うのに。
ここ数年、ケガに悩まされなかったら、もっと活躍できたろうに。
フランス大会に行った日の丸がスタジアムに掲げられたとき、
セレモニーに残ったみんながその意味を知った。

等々力のこんな小さなスタジアム、居残ったサポーターたち
だけで申し訳ない。でもこれが、最後にあなたが所属した
川崎フロンターレサポーターの気持ちの表し方なんだ。
これでも選手に対する愛情は、Jリーグ1だと思うから。

アウグスト。
ここ数日、いろんな日記でもう何回も書いたな、この名前。
自分の気持ちを表現するのが苦手な僕は、彼の元に駆け寄る
ことも、直接アリガトウを言うこともできなかったけど、
本当に感謝している。J2でくすぶりそうな川崎を助けて
くれたのはアウグストだし、今年の活躍も素晴らしかった。
もっと遡れば、鹿島の2001年の優勝もあなたのおかげ。

それ以降、ずっと僕の前で走り続けていたから。
等々力のピッチを去ると聞いて、本当に残念だった。
でも、最後のコメント、アイシテル、ワスレナイ。

そう、僕の心の中には、ずっとアウグストのプレーが
残っている。忘れない限り、ずっと僕のアイドルだ。
きっと来年もブラジルのどっかでボールを蹴っているんだろう。
熱い気持ちと勇気を持って。アリガトウ、アウグスト。


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