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■ Specimen Days/Michael Cunningham
『Specimen Days』/Michael Cunningham (著) ペーパーバック: 352ページ 出版社: Picador USA; Reprint版 (2006/4/18) ISBN-10: 0312425023 ISBN-13: 978-0312425029 商品の寸法: 20.8 x 14 x 2.8 cm 出版社/著者からの内容紹介 人間と地球の運命を描く壮大な詩的ファンタジー。 あの『めぐりあう時間たち』の作家、衝撃の作品! 過去・現在・未来の三つの時代をアメリカの不滅の大詩人ホイットマンの詩にのせて美しくも哀しくうたいあげ、われわれの未来を描いて戦慄する。
作者のマイケル・カニンガムは『この世の果ての家』、『めぐりあう時間たち』で知られる作家ですが、特に『めぐりあう時間たち』はヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』をテーマにしており、映画化もされたのでご存知の方も多いでしょう。
個人的には『この世の果ての家』が好きですが、それと言うのも、それに先立って出された素晴らしい短編『White Angel』(短編としては未訳)が、この中に取り込まれているからです。
しかし、そのあたりの作風と、今回の作品はだいぶ趣きが違います。私は大好きなイーサン・ケイニンの言葉に触発されましたが、ケイニンが言うように名文ではあるけれど、好みの内容ではないかも…と1/3を読んだ時点で感じてます。
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読み終えましたが、これは私が抱いていたマイケル・カニンガムの作風とは全然違っていました。三部作になっており、それぞれホラー、ミステリ、SFとジャンルも違っているのに、どこか繋がりが感じられる不思議な作品です。
それは同じ名前や物が出てくるからというのもあるけれど、一番大きいのはホイットマンの詩でしょう。どの時代、どんな状況でもホイットマンの詩が出てくる。
ただ、読み手がこれはホイットマンの詩であるとわかっていなければ、単なる狂人の戯言と思われるかも…。そういう意味では非常に実験的な小説ではないかと思います。個人的な好みで言えば、私は『この世の果て』のような作品のほうが好きです。
2007年03月06日(火)
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