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 ぶらんこ乗り/いしいしんじ

『ぶらんこ乗り』/いしい しんじ (著)
文庫: 269 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101069212 ; (2004/07)
内容(「BOOK」データベースより)
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて…。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。


このところ、いしいしんじを何冊か読んだが、ずいぶん人気があるみたいだ。海外文学の話題には、ほとんど目を留めてもらえないが、いしいしんじの本には反応がある。それはそれでいいのだが、日本では、やはり海外文学の人気は低いのだろうかと、ちょっとがっかりもしている。

今回気がついたのだが、いしいしんじには、何かはっきりとはわからないけれども、おそらく個人的な共通点があるため、ツボにはまるところがあるのだ。他の人がどういう理由で好きなのかは知らないが、私にとっては、そういうことだ。前に、宮沢賢治と比較するべきではないとも書いたが、無理に比較してみれば、やはり私は賢治のほうが好きではある。

けれども、妙に懐かしい感覚があって、今まで思い出したこともないような、自分の子どもの頃のことを思い出させるのがいしいしんじなのだ。

2005年09月05日(月)
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