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 電話を切ったら・・・/デリア・エフロン

『電話を切ったら…』
デリア・エフロン著・兼武進訳

出版社 飛鳥新社
発売日 2000.09
価格  ¥ 1,890
ISBN  4870314347
仕事一筋のジョージア、自由奔放なマディ、常識ハズレでお騒がせな父親の世話を押しつけられたイヴ。3人姉妹と父が織りなす人間模様を描いた、映画「電話で抱きしめて」の原作。97年刊の新装版。〈ソフトカバー〉

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これは、メグ・ライアン主演の映画「電話で抱きしめて」の原作で、映画のノヴェライゼーションではない。

とはいえ、デリア・エフロンは、先日購入した本『Heartburn』の作者ノーラ・エフロンの妹で、この姉妹は、やはりメグ・ライアン主演の映画「ユー・ガット・ア・メール」などの製作に携わっているので、映画を念頭において、主人公は初めからメグ・ライアンのイメージで、といった雰囲気もある。

内容は娘と父親の話なのだが、その類は弱いから、もっと感動するかと思っていたら、全然だった。呆けてしまった父親をめぐって、あれこれあるのだが、父親が死ぬところでさえ、全然悲しそうではなかったし(変に泣かせようとするのも嫌だが)、拍子抜けした。内容が面白くないというわけではなく、思ったほどの共感を得られなかったといったところか。

それというのも、主人公は3人姉妹の真ん中で、姉と妹と毎日電話で長話をしている。私は長女で、下に弟しかいないので、そういう女だけの状態というのが、まるで想像がつかないのだ。それに、父親から毎日のように電話があるというのも考えられない。父親は無口なものだという先入観があるから、自ら受話器を取るなんて、という感じ。でも、寂しかったんだろうな、このお父さん。

ともあれ、姪姉妹を見ていてもわかるが、女が複数寄ると、かしましい。この小説もそのとおりで、ドタバタではないが、女同士のおしゃべりにあふれかえっている。その中に、父親の声がボソっと入ってくる。私は結構、この父親が好きなのだが、彼女たちは、そういう父親に大迷惑している。

もちろん、父親が死んで悲しくないわけではないのだが、女3人姉妹ともなれば、結束するとものすごく強くなって、泣いてなどいない。これってすごいなあと思う。逆に、それがうらやましくもある。姉や妹が欲しいと思ったことは一度もないが、親の死に目に、同性のきょうだいがいるというのは、きっと心強いだろうなと思う。悪口を言い合っていても、血のつながりは濃い。

2005年01月16日(日)
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