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 Paradise County/Karen Robards

『Paradise County』/Karen Robards (著)
マスマーケット: 436 p ; 出版社: Pocket Books (Mm) ; ISBN: 0671786466 ; (2001/12/01)
内容(「BOOK」データベースより)
資産家だったアレクサンドラの父は事業に失敗し、ケンタッキーの田園地帯にある自分の農場で自殺した。そのため、長女であるアレクサンドラは父の財産を処分せざるをえなくなり、農場の管理人ジョーに解雇を通告した。だが、その夜、農場に泊まった彼女は恐ろしい出来事を体験する―真っ暗な寝室の中で聞こえる何かの息づかい、稲妻に照らしだされる謎の人影。恐怖におののく彼女に救いの手を差し伸べてくれたのはジョーだった…。


冒頭を読んだとき、これはロマンスというより、ロマンチック・サスペンスといったほうがいいのかな・・・と思ったが、サスペンス色はあまり濃くなく、やはりロマンスなのだと思った。

父親が亡くなったあと、莫大な損失があることがわかり、農場を手放さなくてはならなくなったアレックス(アレクサンドラ)は、運命の人ジョーと、最悪の出会いをする。農場の管理を任されていたジョーに解雇を申し渡したのだ。

そこから、憎しみから愛情へと変わる、お定まりのプロセスが描かれる。最後は言うまでもなくハッピーエンドになるのだが、ちょっと待ってよ!という感じ。

そもそもアレックスの父親は自殺だとされていたが、そうではなく殺人だったし、アレックスの妹とジョーの息子が、変態の連続殺人鬼(父親もこの犯人に殺された)に拉致され、危ういところで助けられたという経緯があるのだが、かなり重要な要素である父親の死の原因や、妹や息子たちの、下手をすればトラウマになりかねないそうした体験が、あまりにも簡単に済まされているといった感じが否定できない。

アレックスとジョーのロマンスに、果たしてこうした連続殺人鬼のエピソードは必要だったのだろうか?必要であるとすれば、父親の死によって、農場にやってきたという、そのきっかけだけだろう。きっかけだけなら、それこそ自殺だとしても構わなかったわけだ。だとしたら、中途半端なサスペンスはやめて、違うきっかけを考えて欲しかったと思う。

そんなわけで、変態の連続殺人鬼の部分が、どうも邪魔な感じで(実際、誰もそのことについてシリアスになっていない)、納得がいかなかった。ロマンスの上でも納得がいかない部分はたくさんあるのだが、以前に読んだこの人の本でも、やはりあまり納得できなかったという記憶があるので、こんなものかなと。


2005年01月07日(金)
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