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 天体の孤独/藤枝るみね

内容(「MARC」データベースより)
個人所有の〈別荘〉から緊急コールが出ている…。パトロールのロジャーとハルはすぐに〈別荘〉に向かった。コールタイプから一人暮らしの所有者の死亡ということだったが、〈別荘〉に到着した二人は、別の生きた人間が潜んでいることに気づく。


だいぶ前に、ブックオフで100円で買った本。でも、新書版サイズの小さめのハードカバーで、この表紙。なにか不思議な感じがして思わず買ってしまったんだけど、ずっと読まなかった。日本の小説はめったに読まないのだが、このところ日本文学づいている(というほどでもないか)。

で、いざ読んでみたら、設定はSF(SMじゃないよ)なんだけど、ホモ系の話だったんだな。

ああ〜、このマンガチックな表紙って、やっぱりそうだったのか!って感じ。なんでそれに気づかなかったのか・・・。前に読んだアン・ライスの<眠り姫>シリーズもこういうマンガチックな表紙で、思いっきりホモ&SM(SFじゃないよ)の話だったし。

やっぱりこういう顎のとがった切れ長の目のマンガが描かれている本て、そっち系なのかあ〜?こういうマンガが表紙に描かれているだけで、レジに持っていくのが恥ずかしいのに、性癖もそっち系と思われたらまずい!(^^;

そっち系の性癖がまずいんじゃなくて、そういう性癖は、それはそれでどうぞお好きにと思うが、私にはそういう性癖はないってこと。ネット上にもあふれているこういう絵、私は好きじゃないんだけど、男の子がこういう絵に夢中になってたり、自分でも描いていたりするのを見ると、ちょっと気持ち悪い。

でもこの本の中身は、期待していなかった割には案外面白かった。問題のホモ系の描写もいやらしくなくて、さらっと読めたし、状況設定もきちんとしていて、文章もしっかりしている。よしもとばななとか、例のウィスキーのおまけについてくる女性作家たちの文章より、よほどまともだ。

言っていることもまともで、この状況なら同性同士で愛し合うのもありかな?と納得させるところもあって、なかなか上手い作家だなと思った。ジャンルはSFのエンターテインメントだとは思うけど、面白ければなんでもいい。最近あんまり面白くない本が続いたので、ちょっとすっきりした。


2004年12月20日(月)
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