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■ アイスウィンド・サーガ〈1〉 悪魔の水晶/R.A.サルバトーレ
出版社/著者からの内容紹介 ダークエルフの二刀流剣士ドリッズと、魔法の黒豹グエンワイヴァーが活躍する世界2千万部D&Dファンタジー小説シリーズ!! 話題のシリーズを多く手がける米国の超人気作家、最大のベストセラー作品!!
復刊された「アイスウィンド・サーガ」シリーズの第1巻が届いたが、これは『The Icewind Dale Trilogy: The Crystal Shard, Streams of Silver, the Halfling's Gem (Forgotten Realms)』という三部作の、1作目『The Crystal Shard』の部分。しかもその3分の1。なんとも中途半端なものだ。
もちろん、3部作全部が訳されているとは思ってはいなかったが、実物を見たとき、これって『The Crystal Shard』の全訳?と思って中を見ると、訳者の解説には、日本版は全9冊で、原書での各巻が3冊ずつにまとまっているとのこと。つまり、『The Icewind Dale Trilogy』としては全9冊で、『The Crystal Shard』は3冊ということになる。
以前に、これは2作目までしか訳されていないと書いた覚えがあるが、『The Crystal Shard』と『Streams of Silver』までということになる。富士見書房の文庫版は絶版で、マーケットプレイスでも1000円から15000円などという値段になっている。
でもこの第1巻以降、情報がないのだが、全9巻まで翻訳されるのだろうか?現状況では、2作目までしか翻訳されていないし、全9巻出すまでには、新たに3作目を翻訳しないとならない。それに、「全部出します」とは、どこにも書いてない。出るとしても、全部揃うには、一体いつまでかかるやら。
だけど、シリーズの1巻目(しかも1作目の3分の1)だけしか出さないということもないだろうと思うので、今後も期待はしているが、結局のところ、早く続きを読みたければ、原書のほうを読まなければならないということだ。とりあえず1巻目があれば、あとは原書を読むのも多少楽になるので、無駄ではないと思うが。。。
※追加記事-----------------------------
どうやら以前出版された「アイスウィンド・サーガ」は、原書の各巻上下で、全6巻で完結されているようだ。つまり全部訳されているということ?絶版であまり情報がないので詳細はよくわからないのだが、全9巻というのは、今回新たに1作3分冊で出版されるようで、ということは、全部出る予定になっているのだろう。
それにしても気の長い話。1冊が1作の3分の1だなんて、ボロ儲けだよ、アスキー!待っているほうは気が狂いそうだ。3分冊にしてもいいから、1作分は一度に出して欲しいものだ。ディケンズやスティーヴン・キングじゃあるまいし、分冊にすれば売れるというものでもないでしょう。上下巻の上だけとかが買えない性格の私としては、こういうのは考えただけでイライラする。
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というわけで、本書は中途半端で欲求不満。話が面白くないのではなく、1冊の3分の1の部分しかないからだ。アイスウィンド・デイルに住み着いたドリッズトが、辺境の守りをしながらドワーフのブルーノーらと暮らしていくのだが、テン・タウンズにゴブリンたちの襲撃があり、そこに住む人々と力を合わせて撃退する。その後ハーフリングのレギスやバーバリアンのウルフガーなどが味方に加わっていくという話の、まだほんのプロローグ。
ドリッズトやグエンワイヴァーの魅力もまだ全開ではないし、ドリッズトとブルーノーの仲を取り持った人間の娘キャッティ・ブリーも全然出てこない。物語って(特に壮大な長編は)、こんなに細切れにしていいもんじゃないと思う。分冊にしてもいから(基本的にはしてほしくないが)、頼むから1冊分はまとめて出してくれ!という感じ。 出版社は読者の気持ちを無視している。物語は魅力的だが、出版社の姿勢が気にいらない。
2004年10月14日(木)
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