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 新ターミネーター2─未来からの潜入者(上・下)/S.M.スターリング

内容(「BOOK」データベースより)
サイバーダイン爆破から6年。T‐1000と死闘を繰り広げ人類の未来を救ったサラ・コナーと息子ジョンは、その後アメリカ政府にテロリストとして追われ、現在は南米パラグアイでひっそりと逃亡生活を送っていた。名前もサラからスーザンへと変え、運送会社を営む日々は平穏に思えた。が、ある日あのT‐800そっくりの男が隣家に越してくる。一方、カリフォルニアではマイルズの研究が再開されていた。そう、すべてが破壊されたわけではなかったのだ。そしてスカイネットはジョン抹殺のため、未来からさらなる刺客を送り込んできた。I‐950、遺伝子操作を施され、生後すぐにサイボーグ化された女ターミネーター、サリーナである。果たしてサラとジョンはふたたび世界を守ることができるのか?そして謎の隣人の正体とは…。

内容(「BOOK」データベースより)
未来のスカイネットから送り込まれた刺客サリーナ(I‐950)は、自宅のラボで製造したT‐101型ターミネーターをパラグアイのコナー邸に送り込む。この深夜の奇襲攻撃からサラを救ったのはあのT‐800そっくりの隣人ディーターだった。極秘対テロ組織の元工作員であるディーターはスーザンの正体がサラであることを見破っていたが、ターミネーターの存在を目の当たりにし、コナー親子とともに戦うことを決意する。一方、サラを兄の敵と思い込むマイルズの弟ジョーダンは、サリーナのアシスタントとしてサイバーダイン社に就職、サラへの復讐の想いを募らせる。今度こそデータのすべてを消去するべく、カリフォルニアのサイバーダイン本社に乗り込むサラ、ジョン、ディーター、迎え撃つサリーナとターミネーターは!?いま新たなる最終戦争が始まる…。



映画「T2」で、溶鉱炉に沈んでいくターミネーター(T-800)に涙していた私だが、「新ターミネーター2」は、その直後から話が始まる。それに、映画を観た人は覚えているだろうが、液体金属ターミネーター(T-1000)にもぎ取られたT-800の腕は、あれからどうなったのか・・・。そう、その残った腕と、ダイソンの研究のバックアップコピーがあったために、コナー親子の願いも空しく、「T3」へと話が繋がり、ジャッジメント・デイはやってきてしまうわけだ。

「T2」から「T3」まで12年ものブランクがあったわけだから、いろいろなストーリーが考えられてもいいわけだが、これまでそんなことを考えてみたこともなかった。このブランクを埋める話が「新ターミネーター2」になるわけだけれど、いろいろ考えれば、話はどうとでも作れるものだなあと感心してしまった。

最も興味深いのは、パラグアイで逃亡生活を送っているコナー親子の隣に越してきた、ディーターというオーストリア人のこと。これがT-800にそっくりだというからおかしい。しかもこちらはターミネーターには何の関係もないただの人間。だったら、なんで、どうして、T-800はディーターにそっくりで、しかもドイツ語訛りの英語を話すのか?その大きな謎が、なかなか解明されないため、どんどん先へ先へと読み進めてしまう。もう単純に面白い!

さて、その「どうして、T-800はディーターにそっくりで、しかもドイツ語訛りの英語を話すのか?」という謎は、次の『迫りくる嵐』に持ち越されるようだが、ともあれ、このターミネーターにそっくりなオーストリア人は、コナー親子に好意を寄せ、彼らの味方となる。というわけで、映像的にはあちらにもこちらにもシュワちゃんがいる!といった状態になるわけだ。この部分が映画にならないのは、シュワちゃんファンとしては非常に残念。

結局、コナー親子とディーターは、マイルズ・ダイソンの弟であるジョーダンを巻き込んで、サイバーダイン社を破壊するのだが、母親のサラ・コナーは、サリーナ(I-950)との戦いで瀕死の重症を負ってしまう。サラを残してその場を逃走するジョンとディーター。そして人知れず残されたサリーナのクローンはどうなるのか・・・?

2004年02月10日(火)
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