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 続・ママは決心したよ!/ベイリー・ホワイト

出版社/著者からの内容紹介
ジョージアの田舎を舞台に著者とその一族の奇天烈な活躍が笑いと感動を呼んだ『ママは決心したよ!』に待望の続編登場。今回も奇人変人たちが人生の奥深さをしみじみ感じさせてくれる。


本書は『ママは決心したよ!』(原題は『Mama Makes Up Her Mind: And Other Dangers of Southern Living』で、ママが決心した以上の意味があるようだ)の続編となっているが、原題は『Sleeping At The Starlite Motel: And Other Adventures on the Way Back Home』で、実際はべつに続編ということではないようだ。『ママは決心したよ!』のおかしさを期待すると、がっかりするだろう。小説というより、むしろエッセイといったほうがよさそうな作品。

それに、女傑のママもあまり出てこないから、ママはいつ出てくるんだろう、あのママのファンなのに・・・と思う人にはちょっと物足りないだろう。というわけで、タイトルは前作を気にせず、原題を生かして訳出して欲しかったと思う。

でも、底辺に流れている暖かさとユーモアは健在で、読んでいるとなにかほのぼのとしてくるのだが、やはりこの人は真面目!学校の同僚の先生と、コンピュータ・スクールをさぼってドッグレースに行くくだりなどは、いつの時代の話?と思うくらいだ。

だいたい「さぼって」いること自体が不埒なのに、ドッグレースで賭けるなんてとんでもないことだわ!と思うその判断基準に苦笑。そのあたりの気真面目さや、授業風景の描写などから(今回の作品は学校での話が多い)、ミス・リードの『村の学校』を思い出してしまった。

前作のユーモアには笑わされたが、今回はそこにペーソスが加わっていて、「ちょっといい話」的なものもある。そして、もっと自然に近づいた描写が多かった。アメリカ南部の緑深い自然の、濃密な空気の中で呼吸しているような、そういう感じが伝わってきた。


2004年01月29日(木)
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