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■ ママは決心したよ!/ベイリー・ホワイト
出版社/著者からの内容紹介 毎週毎週ラジオの音楽番組に同じ曲をリクエストし、国道で轢かれたてのほやほやのウズラや七面鳥を料理し、台風のさなかベランダのベッドで平然と眠るママ。恐ろしく風変わりでかつ愛すべきママと、それを取り巻くさらにおかしな家族の物語。抱腹絶倒保証付きの全米ベストセラー。
作者のベイリー・ホワイトは、ジョージア州南部で母親と暮らしながら小学校一年生を教える女性教師。雑誌にエッセイや短編を発表するかたわら、ナショナル・パブリック・ラジオ局の自作朗読で国民的人気を博す。─カバーより
評者は翻訳家の青山南氏で、氏がアメリカでこの本を買ったとき、「とんでもなく無愛想」で「もうくたくたってな顔で、口をきくのも面倒臭そうだった」本屋のレジの女性が、この本を見たとたん、わざわざ「これ、おっかしいよ」と言ったので、そのおもしろさを確信し、読んでみたらやはり「じつにおっかし」かったと述べている─訳者あとがきより
というわけで、前評判は上々。冒頭から笑える話で、ずっとクスクス笑っているような本。ベイリーの母親が半端な人じゃないし、ご近所の人々も皆どこか風変わり。アメリカ南部の独特の雰囲気の中で、そういう人たちが右往左往して暮らしている話というのが、なんだか妙におかしさをかもし出している。
しかし、ベイリー・ホワイトは小学校の先生というだけあって、根はすごく真面目な感じがする。つまり、大真面目に一生懸命やっているからこそ、そこに何ともいえないユーモアが生まれるのだろう。そういう娘には、必ず肝っ玉の太い、あるいはかなり偏屈な母親だか父親(この場合は母親だが)がいて、なんでも自分の思うとおりに采配をふるい、娘たちを困らせるというのが相場だ。ホワイト家もその例に漏れない。
これは長編なのかと思っていたが、ひとつひとつの話はそこで完結しているから、短編集になるのだろうか?でも、すべての話が、家族や町に繋がっているのだから、長編ととれなくもないが、時間などはまったくバラバラだから、やはり短編集になるのだろうか。
こういうお気楽な本は、とても楽しい。南部の情景もよくわかるし、ミミズやヘビなんかがよく出てくるのはちょっとぞっとしないが、そういった自然も、生活の一部となっているのだろう。
ところで、ホワイト一族がよく読んでいる、アンソニー・トロロプという作家が気になった。日本では1冊も翻訳が出されていないが、原書ではたくさんあった。そのうち読んでみたいなどと思っている。こうして読書の幅が広がっていくのは楽しい。
2004年01月28日(水)
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